万葉集 第5巻 891番歌/作者・原文・時代・歌・訳

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第5巻 891番歌

第5巻
歌番号891番歌
作者作者不詳
題詞(筑前國守山上憶良敬和為熊凝述其志歌六首[并序] / 大伴君熊凝者 肥後國益城郡人也 年十八歳 以天平三年六月十七日為相撲使某國司官位姓名従人 参向京都 為天不幸在路獲疾 即於安藝國佐伯郡高庭驛家身故也 臨終之時 長歎息曰 傳聞 假合之身易滅 泡沫之命難駐 所以千聖已去 百賢不留 况乎凡愚微者何能逃避 但我老親並在菴室 侍我過日 自有傷心之恨 望我違時 必致喪明之泣 哀哉我父痛哉我母 不患一身向死之途 唯悲二親在生之苦 今日長別 何世得覲 乃作歌六首而死 其歌曰)
原文一世尓波 二遍美延農 知々波々袁 意伎弖夜奈何久 阿我和加礼南 [一云 相別南]
訓読一世にはふたたび見えぬ父母を置きてや長く我が別れなむ [一云 相別れなむ]
かなひとよには ふたたびみえぬ ちちははを おきてやながく あがわかれなむ [あひわかれなむ]
英語(ローマ字)HITOYONIHA FUTATABIMIENU CHICHIHAHAWO OKITEYANAGAKU AGAWAKARENAMU [AHIWAKARENAMU]
この世では再び顔を合わせることのできない父上と母上を残し、私は長の別れにあの世に行かねばならないのだろうか。
左注
校異
用語作者:山上憶良、大伴熊凝、追悼、哀悼、行路死人、儒教、孝養、無常