第5巻889番歌はこちらにまとめました。
第5巻 889番歌
巻 | 第5巻 |
歌番号 | 889番歌 |
作者 | 作者不詳 |
題詞 | (筑前國守山上憶良敬和為熊凝述其志歌六首[并序] / 大伴君熊凝者 肥後國益城郡人也 年十八歳 以天平三年六月十七日為相撲使某國司官位姓名従人 参向京都 為天不幸在路獲疾 即於安藝國佐伯郡高庭驛家身故也 臨終之時 長歎息曰 傳聞 假合之身易滅 泡沫之命難駐 所以千聖已去 百賢不留 况乎凡愚微者何能逃避 但我老親並在菴室 侍我過日 自有傷心之恨 望我違時 必致喪明之泣 哀哉我父痛哉我母 不患一身向死之途 唯悲二親在生之苦 今日長別 何世得覲 乃作歌六首而死 其歌曰) |
原文 | 家尓阿利弖 波々何刀利美婆 奈具佐牟流 許々呂波阿良麻志 斯奈婆斯農等母[一云 能知波志奴等母] |
訓読 | 家にありて母がとり見ば慰むる心はあらまし死なば死ぬとも [一云 後は死ぬとも] |
かな | いへにありて ははがとりみば なぐさむる こころはあらまし しなばしぬとも [のちはしぬとも] |
英語(ローマ字) | IHENIARITE HAHAGATORIMIBA NAGUSAMURU KOKOROHAARAMASHI SHINABASHINUTOMO [NOCHIHASHINUTOMO] |
訳 | 故郷の家にいて母が看病してくれているなら、安らかな心になるだろうに。このまま死んでいくにしても(あるいは、後に死ぬとしても)。 |
左注 | – |
校異 | – |
用語 | 作者:山上憶良、大伴熊凝、追悼、哀悼、行路死人、儒教、孝養、無常、鎮魂 |