万葉集 第17巻 4003番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第17巻4003番歌はこちらにまとめました。

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第17巻 4003番歌

第17巻
歌番号4003番歌
作者大伴池主
題詞敬和立山賦一首并二絶
原文阿佐比左之 曽我比尓見由流 可無奈我良 弥奈尓於婆勢流 之良久母能 知邊乎於之和氣 安麻曽々理 多可吉多知夜麻 布由奈都登 和久許等母奈久 之路多倍尓 遊吉波布里於吉弖 伊尓之邊遊 阿理吉仁家礼婆 許其志可毛 伊波能可牟佐備 多末伎波流 伊久代經尓家牟 多知C為弖 見礼登毛安夜之 弥祢太可美 多尓乎布可美等 於知多藝都 吉欲伎可敷知尓 安佐左良受 綺利多知和多利 由布佐礼婆 久毛為多奈i吉 久毛為奈須 己許呂毛之努尓 多都奇理能 於毛比須具佐受 由久美豆乃 於等母佐夜氣久 与呂豆余尓 伊比都藝由可牟 加<波>之多要受波
訓読朝日さし そがひに見ゆる 神ながら 御名に帯ばせる 白雲の 千重を押し別け 天そそり 高き立山 冬夏と 別くこともなく 白栲に 雪は降り置きて 古ゆ あり来にければ こごしかも 岩の神さび たまきはる 幾代経にけむ 立ちて居て 見れども異し 峰高み 谷を深みと 落ちたぎつ 清き河内に 朝さらず 霧立ちわたり 夕されば 雲居たなびき 雲居なす 心もしのに 立つ霧の 思ひ過ぐさず 行く水の 音もさやけく 万代に 言ひ継ぎゆかむ 川し絶えずは
かなあさひさし そがひにみゆる かむながら みなにおばせる しらくもの ちへをおしわけ あまそそり たかきたちやま ふゆなつと わくこともなく しろたへに ゆきはふりおきて いにしへゆ ありきにければ こごしかも いはのかむさび たまきはる いくよへにけむ たちてゐて みれどもあやし みねだかみ たにをふかみと おちたぎつ きよきかふちに あささらず きりたちわたり ゆふされば くもゐたなびき くもゐなす こころもしのに たつきりの おもひすぐさず ゆくみづの おともさやけく よろづよに いひつぎゆかむ かはしたえずは
英語(ローマ字)ASAHISASHI SOGAHINIMIYURU KAMUNAGARA MINANIOBASERU SHIRAKUMONO CHIHEWOOSHIWAKE AMASOSORI TAKAKITACHIYAMA FUYUNATSUTO WAKUKOTOMONAKU SHIROTAHENI YUKIHAFURIOKITE INISHIHEYU ARIKINIKEREBA KOGOSHIKAMO IHANOKAMUSABI TAMAKIHARU IKUYOHENIKEMU TACHITEゐTE MIREDOMOAYASHI MINEDAKAMI TANIWOFUKAMITO OCHITAGITSU KIYOKIKAFUCHINI ASASARAZU KIRITACHIWATARI YUFUSAREBA KUMOゐTANABIKI KUMOゐNASU KOKOROMOSHINONI TATSUKIRINO OMOHISUGUSAZU YUKUMIDUNO OTOMOSAYAKEKU YORODUYONI IHITSUGIYUKAMU KAHASHITAEZUHA
朝日が背後から射し、神々しく見える。その名のように、白雲を幾重にも押し分け、天にそびえ立つ、これぞ立山。冬も夏も絶えることなく、真っ白な雪が降り積もり、いにしえの昔からそのまま続いてきた。凝り固まった岩々は神々しいまま。幾代を経てきたことだろう。立って見ても眺め続けていても霊妙な御姿。峰が高く谷が深いので落ちたぎる、清らかな滝つぼには朝霧がいつまでも去らない状態で立ちこめる。夕方になると雲が立ちこめ、そのまま雲がとどまる。雲は心がしんみりとし、立ちこめる霧は捨てがたい。流れゆき、落下する音の清らかさを、幾代にもわたって語り継いでゆこう。川が絶えないように。
左注(右掾大伴宿祢池主和之 四月廿八日)
校異婆 波 [元][類][紀]
用語天平19年4月28日、年紀、作者:大伴池主、唱和、大伴家持、枕詞、土地讃美、地名、富山、山讃美、儀礼歌、寿歌、序詞
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