万葉集 第16巻 3875番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第16巻3875番歌はこちらにまとめました。

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第16巻 3875番歌

第16巻
歌番号3875番歌
作者作者不詳
題詞
原文琴酒乎 押垂小野従 出流水 奴流久波不出 寒水之 心毛計夜尓 所念 音之少寸 道尓相奴鴨 少寸四 道尓相佐婆 伊呂雅世流 菅笠小笠 吾宇奈雅流 珠乃七條 取替毛 将申物乎 少寸 道尓相奴鴨
訓読琴酒を 押垂小野ゆ 出づる水 ぬるくは出でず 寒水の 心もけやに 思ほゆる 音の少なき 道に逢はぬかも 少なきよ 道に逢はさば 色げせる 菅笠小笠 我がうなげる 玉の七つ緒 取り替へも 申さむものを 少なき道に 逢はぬかも
かなことさけを おしたれをのゆ いづるみづ ぬるくはいでず さむみづの こころもけやに おもほゆる おとのすくなき みちにあはぬかも すくなきよ みちにあはさば いろげせる すげかさをがさ わがうなげる たまのななつを とりかへも まをさむものを すくなきみちに あはぬかも
英語(ローマ字)KOTOSAKEWO OSHITAREWONOYU IDURUMIDU NURUKUHAIDEZU SAMUMIDUNO KOKOROMOKEYANI OMOHOYURU OTONOSUKUNAKI MICHINIAHANUKAMO SUKUNAKIYO MICHINIAHASABA IROGESERU SUGEKASAWOGASA WAGAUNAGERU TAMANONANATSUWO TORIKAHEMO MAWOSAMUMONOWO SUKUNAKIMICHINI AHANUKAMO
うまい酒が押し出されて来るように、水が小野から流れ出てくる。が、ぬるくはなく、冷たく、心もすがすがしく思われる。人声は少なく、行く道に逢わないものでしょうか。人の少ない道でお逢いしたなら、色美しい菅笠小笠と私が首にかけている、七連の玉をお取り替え致しましょうに。人声少ないこの道でお逢いできないかしら。
左注右歌一首
校異
用語雑歌、序詞、問答、恋愛