万葉集 第13巻 3250番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第13巻3250番歌はこちらにまとめました。

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第13巻 3250番歌

第13巻
歌番号3250番歌
作者作者不詳
題詞
原文蜻嶋 倭之國者 神柄跡 言擧不為國 雖然 吾者事上為 天地之 神<文>甚 吾念 心不知哉 徃影乃 月<文>經徃者 玉限 日<文>累 念戸鴨 胸不安 戀烈鴨 心痛 末逐尓 君丹不會者 吾命乃 生極 戀乍<文> 吾者将度 犬馬鏡 正目君乎 相見天者社 吾戀八鬼目
訓読蜻蛉島 大和の国は 神からと 言挙げせぬ国 しかれども 我れは言挙げす 天地の 神もはなはだ 我が思ふ 心知らずや 行く影の 月も経ゆけば 玉かぎる 日も重なりて 思へかも 胸の苦しき 恋ふれかも 心の痛き 末つひに 君に逢はずは 我が命の 生けらむ極み 恋ひつつも 我れは渡らむ まそ鏡 直目に君を 相見てばこそ 我が恋やまめ
かなあきづしま やまとのくには かむからと ことあげせぬくに しかれども われはことあげす あめつちの かみもはなはだ わがおもふ こころしらずや ゆくかげの つきもへゆけば たまかぎる ひもかさなりて おもへかも むねのくるしき こふれかも こころのいたき すゑつひに きみにあはずは わがいのちの いけらむきはみ こひつつも われはわたらむ まそかがみ ただめにきみを あひみてばこそ あがこひやまめ
英語(ローマ字)AKIDUSHIMA YAMATONOKUNIHA KAMUKARATO KOTOAGESENUKUNI SHIKAREDOMO WAREHAKOTOAGESU AMETSUCHINO KAMIMOHANAHADA WAGAOMOFU KOKOROSHIRAZUYA YUKUKAGENO TSUKIMOHEYUKEBA TAMAKAGIRU HIMOKASANARITE OMOHEKAMO MUNENOKURUSHIKI KOFUREKAMO KOKORONOITAKI SUゑTSUHINI KIMINIAHAZUHA WAGAINOCHINO IKERAMUKIHAMI KOHITSUTSUMO WAREHAWATARAMU MASOKAGAMI TADAMENIKIMIWO AHIMITEBAKOSO AGAKOHIYAMAME
蜻蛉島(あきづしま)は大和の国の神の国柄として言葉に出して言いつのらないのですが、私は申し上げます。天地の神様も全く私の心をご存知ないのか、月日が重なって思っていると、胸が苦しいまでに恋い焦がれているせいか心が痛みます。この先ついにあなた様に逢えないとすれば、このわが命恋い焦がれつつ生き続けなくてはいけないのでしょうか。この心、直接あなた様にお逢いしてこそ静まるのに。
左注(右<五>首)
校異[元][天][紀] / 父 文 [西(訂正)][元][天][紀] / 父 文 [西(訂正)][元][天][紀] / 父 文 [元][天][紀]
用語女歌、恋情、送別
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