第13巻3227番歌はこちらにまとめました。
第13巻 3227番歌
| 巻 | 第13巻 |
| 歌番号 | 3227番歌 |
| 作者 | 作者不詳 |
| 題詞 | – |
| 原文 | 葦原笶 水穂之國丹 手向為跡 天降座兼 五百万 千万神之 神代従 云續来在 甘南備乃 三諸山者 春去者 春霞立 秋徃者 紅丹穂經 <甘>甞備乃 三諸乃神之 帶為 明日香之河之 水尾速 生多米難 石枕 蘿生左右二 新夜乃 好去通牟 事計 夢尓令見社 劔刀 齊祭 神二師座者 |
| 訓読 | 葦原の 瑞穂の国に 手向けすと 天降りましけむ 五百万 千万神の 神代より 言ひ継ぎ来る 神なびの みもろの山は 春されば 春霞立つ 秋行けば 紅にほふ 神なびの みもろの神の 帯ばせる 明日香の川の 水脈早み 生しためかたき 石枕 苔生すまでに 新夜の 幸く通はむ 事計り 夢に見せこそ 剣太刀 斎ひ祭れる 神にしませば |
| かな | あしはらの みづほのくにに たむけすと あもりましけむ いほよろづ ちよろづかみの かむよより いひつぎきたる かむなびの みもろのやまは はるされば はるかすみたつ あきゆけば くれなゐにほふ かむなびの みもろのかみの おばせる あすかのかはの みをはやみ むしためかたき いしまくら こけむすまでに あらたよの さきくかよはむ ことはかり いめにみせこそ つるぎたち いはひまつれる かみにしませば |
| 英語(ローマ字) | ASHIHARANO MIDUHONOKUNINI TAMUKESUTO AMORIMASHIKEMU IHOYORODU CHIYORODUKAMINO KAMUYOYORI IHITSUGIKITARU KAMUNABINO MIMORONOYAMAHA HARUSAREBA HARUKASUMITATSU AKIYUKEBA KURENAゐNIHOFU KAMUNABINO MIMORONOKAMINO OBASERU ASUKANOKAHANO MIWOHAYAMI MUSHITAMEKATAKI ISHIMAKURA KOKEMUSUMADENI ARATAYONO SAKIKUKAYOHAMU KOTOHAKARI IMENIMISEKOSO TSURUGITACHI IHAHIMATSURERU KAMINISHIMASEBA |
| 訳 | この瑞穂の国に天降っていらっしゃった無数の神々の、その神代の時代から、手向けなさいと語り継いできた三諸(みもろ)の山は、春になると霞が立ち、秋になると紅(くれない)に染まる。その神々しいみもろの神が帯としていらっしゃる明日香川。明日香川の水流が早く、岩に苔が付いて成長しがたく、苔むすまでに毎夜毎夜を迎えなければならない。願いが成就するのを願って通(かよ)ってまいります。その次第を夢にお示し下さい。あなた様はこのお山に祭られている神でいらっしゃるのですから。 |
| 左注 | (右三首 但或書此短歌一首無有載之也) |
| 校異 | [西(訂正)][天][紀][細] |
| 用語 | 明日香、奈良、寿歌、神祭り、賀歌、新婚、永遠、婚礼 |

