万葉集 第6巻 1065番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第6巻1065番歌はこちらにまとめました。

スポンサーリンク

第6巻 1065番歌

第6巻
歌番号1065番歌
作者田辺福麻呂
題詞過敏馬浦時作歌一首[并短歌]
原文八千桙之 神乃御世自 百船之 泊停跡 八嶋國 百船純乃 定而師 三犬女乃浦者 朝風尓 浦浪左和寸 夕浪尓 玉藻者来依 白沙 清濱部者 去還 雖見不飽 諾石社 見人毎尓 語嗣 偲家良思吉 百世歴而 所偲将徃 清白濱
訓読八千桙の 神の御代より 百舟の 泊つる泊りと 八島国 百舟人の 定めてし 敏馬の浦は 朝風に 浦波騒き 夕波に 玉藻は来寄る 白真砂 清き浜辺は 行き帰り 見れども飽かず うべしこそ 見る人ごとに 語り継ぎ 偲ひけらしき 百代経て 偲はえゆかむ 清き白浜
かなやちほこの かみのみよより ももふねの はつるとまりと やしまくに ももふなびとの さだめてし みぬめのうらは あさかぜに うらなみさわき ゆふなみに たまもはきよる しらまなご きよきはまへは ゆきかへり みれどもあかず うべしこそ みるひとごとに かたりつぎ しのひけらしき ももよへて しのはえゆかむ きよきしらはま
英語(ローマ字)YACHIHOKONO KAMINOMIYOYORI MOMOFUNENO HATSURUTOMARITO YASHIMAKUNI MOMOFUNABITONO SADAMETESHI MINUMENOURAHA ASAKAZENI URANAMISAWAKI YUFUNAMINI TAMAMOHAKIYORU SHIRAMANAGO KIYOKIHAMAHEHA YUKIKAHERI MIREDOMOAKAZU UBESHIKOSO MIRUHITOGOTONI KATARITSUGI SHINOHIKERASHIKI MOMOYOHETE SHINOHAEYUKAMU KIYOKISHIRAHAMA
大国主の命の神の御代から多く舟が停泊する所と八島国(日本中)の舟人が定めてきた敏馬の浦。朝風が吹くと波が立ち騒ぎ、夕波時には海藻が寄せてくる。白砂の清らかな浜辺は行きつ戻りつしていつまで眺めていても飽きない。なるほど、見る人見る人が語り継ぎ、なつかしがるわけだ。この先、いついつまでも褒め称えてゆこうではないか。この清らかな白浜を。
左注(右廿一首田邊福麻呂之歌集中出也)
校異歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 / 短歌 [西] 短哥 [西(訂正)] 短歌
用語雑歌、作者:田辺福麻呂歌集、羈旅、土地讃美、兵庫、地名