万葉集 第20巻 4398番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第20巻4398番歌はこちらにまとめました。

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第20巻 4398番歌

第20巻
歌番号 4398番歌
作者 大伴家持
題詞 (天平勝寳七歳乙未二月相替遣筑紫諸國防人等歌)為防人情陳思作歌一首[并短歌]
原文 大王乃 美己等可之古美 都麻和可礼 可奈之久波安礼特 大夫 情布里於許之 等里与曽比 門出乎須礼婆 多良知祢乃 波々可伎奈O 若草乃 都麻波等里都吉 平久 和礼波伊波々牟 好去而 早還来等 麻蘇O毛知 奈美太乎能其比 牟世比都々 言語須礼婆 群鳥乃 伊O多知加弖尓 等騰己保里 可<弊>里美之都々 伊也等保尓 國乎伎波奈例 伊夜多可尓 山乎故要須疑 安之我知流 難波尓伎為弖 由布之保尓 船乎宇氣須恵 安佐奈藝尓 倍牟氣許我牟等 佐毛良布等 和我乎流等伎尓 春霞 之麻<未>尓多知弖 多頭我祢乃 悲鳴婆 波呂<婆>呂尓 伊弊乎於毛比O 於比曽箭乃 曽与等奈流麻O 奈氣吉都流香母
訓読 大君の 命畏み 妻別れ 悲しくはあれど 大夫の 心振り起し 取り装ひ 門出をすれば たらちねの 母掻き撫で 若草の 妻は取り付き 平らけく 我れは斎はむ ま幸くて 早帰り来と 真袖もち 涙を拭ひ むせひつつ 言問ひすれば 群鳥の 出で立ちかてに とどこほり かへり見しつつ いや遠に 国を来離れ いや高に 山を越え過ぎ 葦が散る 難波に来居て 夕潮に 船を浮けすゑ 朝なぎに 舳向け漕がむと さもらふと 我が居る時に 春霞 島廻に立ちて 鶴が音の 悲しく鳴けば はろはろに 家を思ひ出 負ひ征矢の そよと鳴るまで 嘆きつるかも
かな おほきみの みことかしこみ つまわかれ かなしくはあれど ますらをの こころふりおこし とりよそひ かどでをすれば たらちねの ははかきなで わかくさの つまはとりつき たひらけく われはいははむ まさきくて はやかへりこと まそでもち なみだをのごひ むせひつつ ことどひすれば むらとりの いでたちかてに とどこほり かへりみしつつ いやとほに くにをきはなれ いやたかに やまをこえすぎ あしがちる なにはにきゐて ゆふしほに ふねをうけすゑ あさなぎに へむけこがむと さもらふと わがをるときに はるかすみ しまみにたちて たづがねの かなしくなけば はろはろに いへをおもひで おひそやの そよとなるまで なげきつるかも
英語(ローマ字) OHOKIMINO MIKOTOKASHIKOMI TSUMAWAKARE KANASHIKUHAAREDO MASURAWONO KOKOROFURIOKOSHI TORIYOSOHI KADODEWOSUREBA TARACHINENO HAHAKAKINADE WAKAKUSANO TSUMAHATORITSUKI TAHIRAKEKU WAREHAIHAHAMU MASAKIKUTE HAYAKAHERIKOTO MASODEMOCHI NAMIDAWONOGOHI MUSEHITSUTSU KOTODOHISUREBA MURATORINO IDETACHIKATENI TODOKOHORI KAHERIMISHITSUTSU IYATOHONI KUNIWOKIHANARE IYATAKANI YAMAWOKOESUGI ASHIGACHIRU NANIHANIKIゐTE YUFUSHIHONI FUNEWOUKESUゑ ASANAGINI HEMUKEKOGAMUTO SAMORAFUTO WAGAWORUTOKINI HARUKASUMI SHIMAMINITACHITE TADUGANENO KANASHIKUNAKEBA HAROHARONI IHEWOOMOHIDE OHISOYANO SOYOTONARUMADE NAGEKITSURUKAMO
大君のご命令を畏んで妻と別れることになった。悲しいけれど、男気をふるい立たせて準備を整えて門出にたつ。母は私の頭を掻き撫で、若草のような妻は私にとりすがって言う。「ご無事をお祈りしています、どうかご無事で早くお帰り下さい」と・・・。我が着物の袖に取り付き、涙を拭い、むせび泣きつつ話しかけるので、鳥のように飛び立ちがたくて振り返りながら国を出てきた。故郷から遠く離れ、はるばる山を越えて葦が生えるここ難波にやってきた。夕潮どきに船を浮かべ、朝なぎを待って舳先を向けて漕ぎ出そうと待機していると、春霞が島のあたりに立った。鶴が悲しそうに鳴くとはるばるやってきた故郷の家を思い出し、背負った弓矢がそそと鳴るまで嘆いた。
左注 (右十九日兵部少輔大伴宿祢家持作之)
校異 短歌 [西] 短謌 / 麻波 [元](塙) 麻 / 敝 弊 [元][紀][細] / 米 未 [代匠記精撰本] / 波 婆 [元][類][紀][温]
用語 天平勝宝7年2月19日、年紀、作者:大伴家持、同情、防人歌、枕詞、動物、難波、大阪
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