巻 | 第13巻 |
歌番号 | 3299番歌 |
作者 | 作者不詳 |
題詞 | – |
原文 | 見渡尓 妹等者立志 是方尓 吾者立而 思虚 不安國 嘆虚 不安國 左丹と之 小舟毛鴨 玉纒之 小楫毛鴨 榜渡乍毛 相語妻遠 |
訓読 | 見わたしに 妹らは立たし この方に 我れは立ちて 思ふそら 安けなくに 嘆くそら 安けなくに さ丹塗りの 小舟もがも 玉巻きの 小楫もがも 漕ぎ渡りつつも 語らふ妻を |
かな | みわたしに いもらはたたし このかたに われはたちて おもふそら やすけなくに なげくそら やすけなくに さにぬりの をぶねもがも たままきの をかぢもがも こぎわたりつつも かたらふつまを |
英語(ローマ字) | MIWATASHINI IMORAHATATASHI KONOKATANI WAREHATACHITE OMOFUSORA YASUKENAKUNI NAGEKUSORA YASUKENAKUNI SANINURINO WOBUNEMOGAMO TAMAMAKINO WOKADIMOGAMO KOGIWATARITSUTSUMO KATARAFUTSUMAWO |
訳 | 岸の向こう側に彼女は立っている。こちらの岸に私は立ち、思いを馳せるに穏やかならず、嘆いてもよんどころない。丹塗りの(真っ赤な)小舟があったら、また、玉で飾り立てた小梶があったら、川を漕いで渡って妻と語り合えるのに。 |
左注 | 或本歌頭句云 己母理久乃 波都世乃加波乃 乎知可多尓 伊母良波多々志 己乃加多尓 和礼波多知弖 / 右一首 |
校異 | – |
用語 | 衒?、恋情、七夕 |