第13巻3223番歌はこちらにまとめました。
第13巻 3223番歌
巻 | 第13巻 |
歌番号 | 3223番歌 |
作者 | 作者不詳 |
題詞 | – |
原文 | 霹靂之 日香天之 九月乃 <鍾>礼乃落者 鴈音文 未来鳴 甘南備乃 清三田屋乃 垣津田乃 池之堤<之> 百不足 <五十>槻枝丹 水枝指 秋赤葉 真割持 小鈴<文>由良尓 手弱女尓 吾者有友 引攀而 峯文十遠仁 に手折 吾者持而徃 公之頭刺荷 |
訓読 | かむとけの 日香空の 九月の しぐれの降れば 雁がねも いまだ来鳴かぬ 神なびの 清き御田屋の 垣つ田の 池の堤の 百足らず 斎槻の枝に 瑞枝さす 秋の黄葉 まき持てる 小鈴もゆらに 手弱女に 我れはあれども 引き攀ぢて 枝もとををに ふさ手折り 我は持ちて行く 君がかざしに |
かな | かむとけの **そらの ながつきの しぐれのふれば かりがねも いまだきなかぬ かむなびの きよきみたやの かきつたの いけのつつみの ももたらず いつきのえだに みづえさす あきのもみちば まきもてる をすずもゆらに たわやめに われはあれども ひきよぢて えだもとををに ふさたをり わはもちてゆく きみがかざしに |
英語(ローマ字) | KAMUTOKENO **SORANO NAGATSUKINO SHIGURENOFUREBA KARIGANEMO IMADAKINAKANU KAMUNABINO KIYOKIMITAYANO KAKITSUTANO IKENOTSUTSUMINO MOMOTARAZU ITSUKINOEDANI MIDUESASU AKINOMOMICHIBA MAKIMOTERU WOSUZUMOYURANI TAWAYAMENI WAREHAAREDOMO HIKIYODITE EDAMOTOWOWONI FUSATAWORI WAHAMOCHITEYUKU KIMIGAKAZASHINI |
訳 | 落雷の閃光が走る9月の空にしぐれが降る。時期早く、まだ雁がやって来て鳴かない、その山の清らかな御田。境内のその御田の池の堤に生いる斎槻(いつき)の枝が瑞々しい。秋の黄葉を腕に巻いて付けた小鈴が揺れている。そんな手弱女(たをやめ)に過ぎない私であるが、ケヤキの枝をひきちぎって手一杯持ち、あの方の所にいきます。あの方の髪飾りにするために。 |
左注 | (右二首) |
校異 | [天][類][紀] / <> 之 [西(左書)][元][天][類] / く 五十 [万葉考] / 父 文 [元][天][紀] |
用語 | 神祭り、寿歌、秋、植物、宴席、三輪山、地名 |