万葉集 第13巻 3305番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第13巻3305番歌はこちらにまとめました。

スポンサーリンク

第13巻 3305番歌

第13巻
歌番号3305番歌
作者作者不詳
題詞問答
原文物不念 道行去毛 青山乎 振放見者 茵花 香<未>通女 櫻花 盛未通女 汝乎曽母 吾丹依云 吾S毛曽 汝丹依云 荒山毛 人師依者 余所留跡序云 汝心勤
訓読物思はず 道行く行くも 青山を 振り放け見れば つつじ花 にほえ娘子 桜花 栄え娘子 汝れをぞも 我れに寄すといふ 我れをもぞ 汝れに寄すといふ 荒山も 人し寄すれば 寄そるとぞいふ 汝が心ゆめ
かなものもはず みちゆくゆくも あをやまを ふりさけみれば つつじばな にほえをとめ さくらばな さかえをとめ なれをぞも われによすといふ われをもぞ なれによすといふ あらやまも ひとしよすれば よそるとぞいふ ながこころゆめ
英語(ローマ字)MONOMOHAZU MICHIYUKUYUKUMO AWOYAMAWO FURISAKEMIREBA TSUTSUJIBANA NIHOEWOTOME SAKURABANA SAKAEWOTOME NAREWOZOMO WARENIYOSUTOIFU WAREWOMOZO NARENIYOSUTOIFU ARAYAMAMO HITOSHIYOSUREBA YOSORUTOZOIFU NAGAKOKOROYUME
物を思わないで、道をずんずん歩いてゆくとき、青山を振り仰いでみると、ツツジが咲いている。匂わんばかりの少女のように。桜は盛りを迎えた乙女のように。そうした花々のようにきみは私に親しく寄っていると人はいう。むろん私の方もきみに寄っていると人はいう。荒山も人が強く引き寄せれば寄っていくというから、ゆめゆめ簡単には人に寄っていかないように。
左注(右五首)
校異[元][天][類]
用語恋情