第13巻3295番歌はこちらにまとめました。
第13巻 3295番歌
巻 | 第13巻 |
歌番号 | 3295番歌 |
作者 | 作者不詳 |
題詞 | – |
原文 | 打久津 三宅乃原従 常土 足迹貫 夏草乎 腰尓魚積 如何有哉 人子故曽 通簀<文>吾子 諾々名 母者不知 諾々名 父者不知 蜷腸 香黒髪丹 真木綿持 阿邪左結垂 日本之 黄<楊>乃小櫛乎 抑刺 <卜>細子 彼曽吾つ |
訓読 | うちひさつ 三宅の原ゆ 直土に 足踏み貫き 夏草を 腰になづみ いかなるや 人の子ゆゑぞ 通はすも我子 うべなうべな 母は知らじ うべなうべな 父は知らじ 蜷の腸 か黒き髪に 真木綿もち あざさ結ひ垂れ 大和の 黄楊の小櫛を 押へ刺す うらぐはし子 それぞ我が妻 |
かな | うちひさつ みやけのはらゆ ひたつちに あしふみぬき なつくさを こしになづみ いかなるや ひとのこゆゑぞ かよはすもあこ うべなうべな はははしらじ うべなうべな ちちはしらじ みなのわた かぐろきかみに まゆふもち あざさゆひたれ やまとの つげのをぐしを おさへさす うらぐはしこ それぞわがつま |
英語(ローマ字) | UCHIHISATSU MIYAKENOHARAYU HITATSUCHINI ASHIFUMINUKI NATSUKUSAWO KOSHININADUMI IKANARUYA HITONOKOYUゑZO KAYOHASUMOAKO UBENAUBENA HAHAHASHIRAJI UBENAUBENA CHICHIHASHIRAJI MINANOWATA KAGUROKIKAMINI MAYUFUMOCHI AZASAYUHITARE YAMATONO TSUGENOWOGUSHIWO OSAHESASU URAGUHASHIKO SOREZOWAGATSUMA |
訳 | 三宅の原から裸足で直接地面を踏んで踏み貫き、夏草の間を難儀しながらやってくるのは、どこの娘に逢おうと思って通ってくるのかいお前。ごもっともごもっとも、母さんは知らないだろうし、ごもっともごもっとも、父さんも知らないでしょうが、黒髪に、木綿の紐でアザサを結んで垂らし、大和の黄楊の小櫛を刺して押さえた、霊妙な子、それが私の妻なのです。 |
左注 | (右二首) |
校異 | 當 / 父 文 [元][天][類] / 揚 楊 [天][類] / 々 卜 [新校] |
用語 | 奈良、田原本、問答、親子、歌垣、民謡 |