万葉集 第13巻 3289番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第13巻3289番歌はこちらにまとめました。

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第13巻 3289番歌

第13巻
歌番号3289番歌
作者作者不詳
題詞
原文御佩乎 劔池之 蓮葉尓 渟有水之 徃方無 我為時尓 應相登 相有君乎 莫寐等 母寸巨勢友 吾情 清隅之池之 池底 吾者不<忘> 正相左右二
訓読み佩かしを 剣の池の 蓮葉に 溜まれる水の ゆくへなみ 我がする時に 逢ふべしと 逢ひたる君を な寐ねそと 母聞こせども 我が心 清隅の池の 池の底 我れは忘れじ 直に逢ふまでに
かなみはかしを つるぎのいけの はちすばに たまれるみづの ゆくへなみ わがするときに あふべしと あひたるきみを ないねそと ははきこせども あがこころ きよすみのいけの いけのそこ われはわすれじ ただにあふまでに
英語(ローマ字)MIHAKASHIWO TSURUGINOIKENO HACHISUBANI TAMARERUMIDUNO YUKUHENAMI WAGASURUTOKINI AFUBESHITO AHITARUKIMIWO NAINESOTO HAHAKIKOSEDOMO AGAKOKORO KIYOSUMINOIKENO IKENOSOKO WAREHAWASUREJI TADANIAFUMADENI
み佩(は)かしの剣といいますが、その剣の池に浮かぶ蓮の葉に溜まった水のように行方が分からないとき、連絡があって逢おうとおっしゃった。そんなあなたのことを母に告げたら母は、そんな不意に連絡してきた男と逢っても共寝などしてはいけませんよとおっしゃった。けれども、せっかく連絡下さったのですもの。清く澄んだ剣の池の池の底のように私は信じたい(忘れない)。直接あの方にお逢いするまでは。
左注(右二首)
校異[万葉集童蒙抄]
用語奈良、橿原、女歌、序詞、恋情