万葉集 第13巻 3274番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第13巻3274番歌はこちらにまとめました。

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第13巻 3274番歌

第13巻
歌番号3274番歌
作者作者不詳
題詞
原文為須部乃 田付S不知 石根乃 興凝敷道乎 石床笶 根延門S 朝庭 出居而嘆 夕庭 入居而思 白桍乃 吾衣袖S 折反 獨之寐者 野干玉 黒髪布而 人寐 味眠不睡而 大舟乃 徃良行羅二 思乍 吾睡夜等呼 <讀文>将敢鴨
訓読為むすべの たづきを知らに 岩が根の こごしき道を 岩床の 根延へる門を 朝には 出で居て嘆き 夕には 入り居て偲ひ 白栲の 我が衣手を 折り返し ひとりし寝れば ぬばたまの 黒髪敷きて 人の寝る 味寐は寝ずて 大船の ゆくらゆくらに 思ひつつ 我が寝る夜らを 数みもあへむかも
かなせむすべの たづきをしらに いはがねの こごしきみちを いはとこの ねばへるかどを あしたには いでゐてなげき ゆふへには いりゐてしのひ しろたへの わがころもでを をりかへし ひとりしぬれば ぬばたまの くろかみしきて ひとのぬる うまいはねずて おほぶねの ゆくらゆくらに おもひつつ わがぬるよらを よみもあへむかも
英語(ローマ字)SEMUSUBENO TADUKIWOSHIRANI IHAGANENO KOGOSHIKIMICHIWO IHATOKONO NEBAHERUKADOWO ASHITANIHA IDEゐTENAGEKI YUFUHENIHA IRIゐTESHINOHI SHIROTAHENO WAGAKOROMODEWO WORIKAHESHI HITORISHINUREBA NUBATAMANO KUROKAMISHIKITE HITONONURU UMAIHANEZUTE OHOBUNENO YUKURAYUKURANI OMOHITSUTSU WAGANURUYORAWO YOMIMOAHEMUKAMO
為すすべのとっかかりも分からず、岩でごつごつした道を、どっしりした岩床のような門口なのに、朝には門を出て嘆き、夕方には門に入って思い嘆く。白栲(しろたへ)の着物の袖を折り返しひとり床につく。折り返した袖に黒髪を敷いて人様のように共寝をすることもなく、ゆらゆら揺れる大船のようにああでもないこうでもないと思いつつ我が寝る夜は数え切れない。
左注(右二首)
校異文 [元][類]
用語孤独、枕詞