防人歌についてまとめました。
掲載数 全 118 首
第7巻 2 首
歌番号 | 本歌 |
1265 番歌 | 今年行く新防人が麻衣肩のまよひは誰れか取 … |
1266 番歌 | 大船を荒海に漕ぎ出でや船たけ我が見し子ら … |
第13巻 2 首
歌番号 | 本歌 |
3344 番歌 | この月は 君来まさむと 大船の 思ひ頼み … |
3345 番歌 | 葦辺行く雁の翼を見るごとに君が帯ばしし投 … |
第14巻 5 首
歌番号 | 本歌 |
3427 番歌 | 筑紫なるにほふ子ゆゑに陸奥の可刀利娘子の … |
3480 番歌 | 大君の命畏み愛し妹が手枕離れ夜立ち来のか … |
3516 番歌 | 対馬の嶺は下雲あらなふ可牟の嶺にたなびく … |
3569 番歌 | 防人に立ちし朝開の金戸出にたばなれ惜しみ … |
3571 番歌 | 己妻を人の里に置きおほほしく見つつぞ来ぬ … |
第20巻 109 首
防人歌とは?
防人は、現代的に言う「自衛官」にあたる。当時「大化の改新(646)」以降に、唐(中国)が日本を攻めると思われ、その北九州の防波堤として「各国から兵隊を集めよう。」と募集をしたのが最初とされている。その後、京の警備や地方の辺境に配備されるようにように運用されていった。
募集とはいえ「国の大義名分」をかかげ、半ば強引に連れて行かれてしまう。その間の家族の税(年貢米)が軽くなるわけでも無かったので、農家には辛い任務だった。任期を終えて祖国へ帰れたとしても、道中の食料などは自給自足なので、途中で野垂れ死することもあり、「行ったら戻ってこれない。」という気持ちは家族全員同じ気持であった。
防人歌が20巻に多いのは、大伴家持が防人の検校(けんぎょう:その部署を取り締まる最高の官位。)に携わった時に、防人たちの歌を記録したからとされている。家族と離れ、無事帰れるかどうかわからない任務につく男たちの歌は、家族愛を歌う山上憶良を思ったのだろう。