第20巻4384番歌はこちらにまとめました。
第20巻 4384番歌
巻 | 第20巻 |
歌番号 | 4384番歌 |
作者 | 他田日奉得大理 |
題詞 | (天平勝寳七歳乙未二月相替遣筑紫諸國防人等歌) |
原文 | 阿加等伎乃 加波多例等枳尓 之麻加枳乎 己枳尓之布祢乃 他都枳之良須母 |
訓読 | 暁のかはたれ時に島蔭を漕ぎ去し船のたづき知らずも |
かな | あかときの かはたれときに しまかぎを こぎにしふねの たづきしらずも |
英語(ローマ字) | AKATOKINO KAHATARETOKINI SHIMAKAGIWO KOGINISHIFUNENO TADUKISHIRAZUMO |
訳 | 暁のまだ明け切らない薄暗いうち、島陰を漕いでいった船がどうなったか知りようがない。 |
左注 | 右一首助丁海上郡海上國造他田日奉直得大理( / 二月十六日下総國防人部領使少目従七位下縣犬養宿祢浄人進歌數廿二首 但拙劣歌者不取載之) |
校異 | – |
用語 | 天平勝宝7年2月16日、年紀、作者:他田日奉得大理、防人歌、叙景、漂泊、旅情、千葉、県犬養浄人 |
解説
題詞は4321番歌から続くもの。
「かはたれ時に」は「彼方は誰か分からない時」つまり「遠くにいる人が誰か分からない薄暗い時」といった意味になる。「たづき」は「手がかり」。
左注は「右一首は助丁、海上郡海上國造、他田日奉直得大理(をさたのひまつりのあたひとこたり)の歌」という内容。助丁は國造(地方役所の偉い人)の部下であり下級役人のこと。海上郡(うなかみのこほり)は千葉県旭市から銚子市にかけてあった地域のこと。