第9巻1742番歌はこちらにまとめました。
第9巻 1742番歌
巻 | 第9巻 |
歌番号 | 1742番歌 |
作者 | 高橋虫麻呂 |
題詞 | 見河内大橋獨去娘子歌一首[并短歌] |
原文 | 級照 片足羽河之 左丹塗 大橋之上従 紅 赤裳<數>十引 山藍用 <揩>衣服而 直獨 伊渡為兒者 若草乃 夫香有良武 橿實之 獨歟将宿 問巻乃 欲我妹之 家乃不知久 |
訓読 | しな照る 片足羽川の さ丹塗りの 大橋の上ゆ 紅の 赤裳裾引き 山藍もち 摺れる衣着て ただ独り い渡らす子は 若草の 夫かあるらむ 橿の実の 独りか寝らむ 問はまくの 欲しき我妹が 家の知らなく |
かな | しなでる かたしはがはの さにぬりの おほはしのうへゆ くれなゐの あかもすそびき やまあゐもち すれるきぬきて ただひとり いわたらすこは わかくさの つまかあるらむ かしのみの ひとりかぬらむ とはまくの ほしきわぎもが いへのしらなく |
英語(ローマ字) | SHINADERU KATASHIHAGAHANO SANINURINO OHOHASHINOUHEYU KURENAゐNO AKAMOSUSOBIKI YAMAAゐMOCHI SURERUKINUKITE TADAHITORI IWATARASUKOHA WAKAKUSANO TSUMAKAARURAMU KASHINOMINO HITORIKANURAMU TOHAMAKUNO HOSHIKIWAGIMOGA IHENOSHIRANAKU |
訳 | 片足羽川に架かっている丹塗りの大橋の上を、紅色の赤裳の裾を引いて、山藍で染めた着物を着て、たった独りで渡っていくあの子。夫のある身だろうか。あるいは独りで寝ているだろうか。訊いてみたいものだが、彼女の家が分からない。 |
左注 | (右件歌者高橋連蟲麻呂歌集中出) |
校異 | 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 / 短歌 [西] 短謌 [西(訂正)] 短歌 / 摺 揩 [紀] / <> 數 [西(右書)][藍][壬][類][紀] |
用語 | 雑歌、作者:高橋虫麻呂歌集、大阪、美女、孤独、枕詞、地名 |