第13巻3333番歌はこちらにまとめました。
第13巻 3333番歌
巻 | 第13巻 |
歌番号 | 3333番歌 |
作者 | 作者不詳 |
題詞 | – |
原文 | 王之 御命恐 秋津嶋 倭雄過而 大伴之 御津之濱邊従 大舟尓 真梶繁貫 旦名伎尓 水<手>之音為乍 夕名寸尓 梶音為乍 行師君 何時来座登 <大>卜置而 齊度尓 <狂>言哉 人之言釣 我心 盡之山之 黄葉之 散過去常 公之正香乎 |
訓読 | 大君の 命畏み 蜻蛉島 大和を過ぎて 大伴の 御津の浜辺ゆ 大船に 真楫しじ貫き 朝なぎに 水手の声しつつ 夕なぎに 楫の音しつつ 行きし君 いつ来まさむと 占置きて 斎ひわたるに たはことか 人の言ひつる 我が心 筑紫の山の 黄葉の 散りて過ぎぬと 君が直香を |
かな | おほきみの みことかしこみ あきづしま やまとをすぎて おほともの みつのはまへゆ おほぶねに まかぢしじぬき あさなぎに かこのこゑしつつ ゆふなぎに かぢのおとしつつ ゆきしきみ いつきまさむと うらおきて いはひわたるに たはことか ひとのいひつる あがこころ つくしのやまの もみちばの ちりてすぎぬと きみがただかを |
英語(ローマ字) | OHOKIMINO MIKOTOKASHIKOMI AKIDUSHIMA YAMATOWOSUGITE OHOTOMONO MITSUNOHAMAHEYU OHOBUNENI MAKADISHIJINUKI ASANAGINI KAKONOKOゑSHITSUTSU YUFUNAGINI KADINOOTOSHITSUTSU YUKISHIKIMI ITSUKIMASAMUTO URAOKITE IHAHIWATARUNI TAHAKOTOKA HITONOIHITSURU AGAKOKORO TSUKUSHINOYAMANO MOMICHIBANO CHIRITESUGINUTO KIMIGATADAKAWO |
訳 | 大君の仰せを慎んでお受けし、蜻蛉島(あきづしま)は大和を過ぎて、大伴氏ゆかりの御津の浜辺から船出せんとする。朝凪どきに大船に梶を揃えて穴に通す水手(かこ)の声が聞こえ、夕凪どきに梶の音が鳴り響いて出発したあの方。いつ戻っていらっしゃるのかと、占いを立てて神様にお祈りし続けるのに、悪い冗談か、人が伝えてあの方はお亡くなりになったと・・・。心を尽くすという筑紫の山の黄葉のように散っていかれたのか、あの姿あの方が。 |
左注 | (右二首) |
校異 | 大夕 大 [元][類] / 抂 狂 [天][温] |
用語 | 奈良、大阪、福岡、羈旅、道行き、行旅死、枕詞 |