万葉集 第9巻 1751番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第9巻1751番歌はこちらにまとめました。

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第9巻 1751番歌

第9巻
歌番号1751番歌
作者高橋虫麻呂
題詞難波經宿明日還来之時歌一首[并短歌]
原文嶋山乎 射徃廻流 河副乃 丘邊道従 昨日己曽 吾<超>来壮鹿 一夜耳 宿有之柄二 <峯>上之 櫻花者 瀧之瀬従 落堕而流 君之将見 其日左右庭 山下之 風莫吹登 打越而 名二負有社尓 風祭為奈
訓読島山を い行き廻れる 川沿ひの 岡辺の道ゆ 昨日こそ 我が越え来しか 一夜のみ 寝たりしからに 峰の上の 桜の花は 瀧の瀬ゆ 散らひて流る 君が見む その日までには 山おろしの 風な吹きそと うち越えて 名に負へる杜に 風祭せな
かなしまやまを いゆきめぐれる かはそひの をかへのみちゆ きのふこそ わがこえこしか ひとよのみ ねたりしからに をのうへの さくらのはなは たきのせゆ ちらひてながる きみがみむ そのひまでには やまおろしの かぜなふきそと うちこえて なにおへるもりに かざまつりせな
英語(ローマ字)SHIMAYAMAWO IYUKIMEGURERU KAHASOHINO WOKAHENOMICHIYU KINOFUKOSO WAGAKOEKOSHIKA HITOYONOMI NETARISHIKARANI WONOUHENO SAKURANOHANAHA TAKINOSEYU CHIRAHITENAGARU KIMIGAMIMU SONOHIMADENIHA YAMAOROSHINO KAZENAFUKISOTO UCHIKOETE NANIOHERUMORINI KAZAMATSURISENA
山が島のように見える流れ下る川沿いの岡辺を昨日私は超えてきた。一夜だけ泊まったその峰の桜。流れ下る滝の瀬から散って舞い落ちる。我が君がご覧になるだろう、その日までは、山おろしの風よ吹くな、と願って一足先に、有名な神社に寄り、風よけの神様にお祈りしたことよ。
左注(右件歌者高橋連蟲麻呂歌集中出)
校異歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 / 短歌 [西] 短謌 [西(訂正)] 短歌 / 越 超 [藍][紀] / 岑 峯 [藍][紀][矢][京]
用語雑歌、作者:高橋虫麻呂歌集、龍田、大阪、天平6年3月、年紀、風祭り、風神、地名、植物