第3巻465番歌はこちらにまとめました。
第3巻 465番歌
巻 | 第3巻 |
歌番号 | 465番歌 |
作者 | 大伴家持 |
題詞 | 移朔而後悲嘆秋風家持作歌一首 |
原文 | 虚蝉之 代者無常跡 知物乎 秋風寒 思努妣都流可聞 |
訓読 | うつせみの世は常なしと知るものを秋風寒み偲ひつるかも |
かな | うつせみの よはつねなしと しるものを あきかぜさむみ しのひつるかも |
英語(ローマ字) | UTSUSEMINO YOHATSUNENASHITO SHIRUMONOWO AKIKAZESAMUMI SHINOHITSURUKAMO |
訳 | この世は無常と分かってはいるが寒い秋風を受けると、妻のことが思い出される。 |
左注 | – |
校異 | 妣 [京] 比 / 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 |
用語 | 挽歌、作者:大伴家持、亡妻挽歌、枕詞、天平11年6月、年紀 |
解説
題詞は「月日が経って、秋風を悲しみ嘆いて家持が作った歌一首」という意味。
「うつせみの」は「虚蝉之」、「空蝉之」とも書かれる。通常は「空虚」といった意味だが、ここでは「この世」の意味。上三句は「この世は無常と分かってはいるが」という意味である。
天平11年は西暦740年を指す。つまり大伴家持の妻は、この時には既に亡くなっているという歌なのだが、wikipediaでは「この頃、正妻になった。」のようなことが書かれている。(1)どちらが正しいかは、皆様に委ねたい。