第19巻4209番歌はこちらにまとめました。
第19巻 4209番歌
巻 | 第19巻 |
歌番号 | 4209番歌 |
作者 | 久米広縄 |
題詞 | 詠霍公鳥歌一首[并短歌] |
原文 | 多尓知可久 伊敝波乎礼騰母 許太加久C 佐刀波安礼騰母 保登等藝須 伊麻太伎奈加受 奈久許恵乎 伎可麻久保理登 安志多尓波 可度尓伊C多知 由布敝尓波 多尓乎美和多之 古布礼騰毛 比等己恵太尓母 伊麻太伎己要受 |
訓読 | 谷近く 家は居れども 木高くて 里はあれども 霍公鳥 いまだ来鳴かず 鳴く声を 聞かまく欲りと 朝には 門に出で立ち 夕には 谷を見渡し 恋ふれども 一声だにも いまだ聞こえず |
かな | たにちかく いへはをれども こだかくて さとはあれども ほととぎす いまだきなかず なくこゑを きかまくほりと あしたには かどにいでたち ゆふへには たにをみわたし こふれども ひとこゑだにも いまだきこえず |
英語(ローマ字) | TANICHIKAKU IHEHAWOREDOMO KODAKAKUTE SATOHAAREDOMO HOTOTOGISU IMADAKINAKAZU NAKUKOゑWO KIKAMAKUHORITO ASHITANIHA KADONIIDETACHI YUFUHENIHA TANIWOMIWATASHI KOFUREDOMO HITOKOゑDANIMO IMADAKIKOEZU |
訳 | 私は谷の近くに住んでおり、木々が高く、里中ではありますが、ホトトギスはいまだにやって来て鳴きません。鳴き声を聞きたいと思って、毎朝、門に出て立ち、夕方には谷を見渡しています。こうしてホトトギスを待ち焦がれていますが、いまだに一声なりと鳴き声が聞こえません。 |
左注 | (右廿三日<掾>久米朝臣廣縄和) |
校異 | – |
用語 | 天平勝宝2年4月23日、年紀、作者:久米広縄、和歌、大伴家持、贈答、動物 |