万葉集 第18巻 4125番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4125番歌はこちらにまとめました。

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第18巻 4125番歌

第18巻
歌番号4125番歌
作者大伴家持
題詞七夕歌一首[并短歌]
原文安麻泥良須 可未能御代欲里 夜洲能河波 奈加尓敝太弖々 牟可比太知 蘇泥布利可波之 伊吉能乎尓 奈氣加須古良 和多里母理 布祢毛麻宇氣受 波之太尓母 和多之弖安良波 曽<乃>倍由母 伊由伎和多良之 多豆佐波利 宇奈我既里為弖 於<毛>保之吉 許登母加多良比 <奈>具左牟流 許己呂波安良牟乎 奈尓之可母 安吉尓之安良祢波 許等騰比能 等毛之伎古良 宇都世美能 代人和礼<毛> 許己<乎>之母 安夜尓久須之弥 徃更 年<乃>波其登尓 安麻<乃>波良 布里左氣見都追 伊比都藝尓須礼
訓読天照らす 神の御代より 安の川 中に隔てて 向ひ立ち 袖振り交し 息の緒に 嘆かす子ら 渡り守 舟も設けず 橋だにも 渡してあらば その上ゆも い行き渡らし 携はり うながけり居て 思ほしき 言も語らひ 慰むる 心はあらむを 何しかも 秋にしあらねば 言どひの 乏しき子ら うつせみの 世の人我れも ここをしも あやにくすしみ 行きかはる 年のはごとに 天の原 振り放け見つつ 言ひ継ぎにすれ
かなあまでらす かみのみよより やすのかは なかにへだてて むかひたち そでふりかはし いきのをに なげかすこら わたりもり ふねもまうけず はしだにも わたしてあらば そのへゆも いゆきわたらし たづさはり うながけりゐて おもほしき こともかたらひ なぐさむる こころはあらむを なにしかも あきにしあらねば ことどひの ともしきこら うつせみの よのひとわれも ここをしも あやにくすしみ ゆきかはる としのはごとに あまのはら ふりさけみつつ いひつぎにすれ
英語(ローマ字)AMADERASU KAMINOMIYOYORI YASUNOKAHA NAKANIHEDATETE MUKAHITACHI SODEFURIKAHASHI IKINOWONI NAGEKASUKORA WATARIMORI FUNEMOMAUKEZU HASHIDANIMO WATASHITEARABA SONOHEYUMO IYUKIWATARASHI TADUSAHARI UNAGAKERIゐTE OMOHOSHIKI KOTOMOKATARAHI NAGUSAMURU KOKOROHAARAMUWO NANISHIKAMO AKINISHIARANEBA KOTODOHINO TOMOSHIKIKORA UTSUSEMINO YONOHITOWAREMO KOKOWOSHIMO AYANIKUSUSHIMI YUKIKAHARU TOSHINOHAGOTONI AMANOHARA FURISAKEMITSUTSU IHITSUGINISURE
天照大御神の遙か遠い御代からある安の川、その安の川を挟んで両岸に向かい合って立つお二人。互いに袖を振り合って息長く恋い焦がれておられる。渡し守もいなく、舟もない。せめて橋でも渡してあれば、橋の上を渡って逢い、手を携え、肩に手を掛け合って仲睦まじく思いの情を語り合い慰め合おうものを。どういう訳で秋がやってこなければ言葉も掛けられないお二人だろう。現世の地上にいる私にはこれがとても不思議でならない。毎年毎年年が変わるたびに天の原を振り仰ぎ、言い継がれてきたのが不思議でならない。
左注(右七月七日仰見天漢大伴宿祢家持作)
校異歌 [西] 謌 / 能 乃 [元][類] / 母 毛 [元][類] / 那 奈 [元][類] / 母 毛 [元][類] / 宇 乎 [代匠記精撰本] / 能 乃 [元][類]
用語天平感宝1年7月7日、作者:大伴家持、年紀、七夕、寿歌、高岡、富山
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