第17巻3990番歌はこちらにまとめました。
第17巻 3990番歌
| 巻 | 第17巻 |
| 歌番号 | 3990番歌 |
| 作者 | 大伴家持 |
| 題詞 | (大目秦忌寸八千嶋之舘餞守大伴宿祢家持宴歌二首) |
| 原文 | 和<我>勢故波 多麻尓母我毛奈 手尓麻伎C 見都追由可牟乎 於吉C伊加婆乎思 |
| 訓読 | 我が背子は玉にもがもな手に巻きて見つつ行かむを置きて行かば惜し |
| かな | わがせこは たまにもがもな てにまきて みつつゆかむを おきていかばをし |
| 英語(ローマ字) | WAGASEKOHA TAMANIMOGAMONA TENIMAKITE MITSUTSUYUKAMUWO OKITEIKABAWOSHI |
| 訳 | 貴君が玉であってくれたらと思う。手に巻いて見ながら旅行くものを。貴君を置いて旅立つのがいかにも心残り。 |
| 左注 | 右守大伴宿祢家持以正税帳須入京師 仍作此歌聊陳送別之嘆 [四月廿日] |
| 校異 | 加 我 [元][類] / 歌 [西] 謌 |
| 用語 | 天平19年4月20日、年紀、作者:大伴家持、宴席、恋情、羈旅、出発、悲別、富山、高岡、秦八千島 |
解説
「玉にもがもな」は「玉であってほしい」という願望。「貴方が勾玉のようなお守りであれば、いつもそばにいてくれただろう。」というたとえになる。
左注に「右は、守大伴宿祢家持が正税帳を持って奈良の都に向かうとき作った歌 四月廿日」とある。正税帳は租税の出納帳で、守(長官)は年に一回それを持って都に報告に行かなければならない。