第15巻3618番歌はこちらにまとめました。
第15巻 3618番歌
巻 | 第15巻 |
歌番号 | 3618番歌 |
作者 | 作者不詳 |
題詞 | (安藝國長門嶋舶泊礒邊作歌五首) |
原文 | 夜麻河<泊>能 伎欲吉可波世尓 安蘇倍杼母 奈良能美夜故波 和須礼可祢都母 |
訓読 | 山川の清き川瀬に遊べども奈良の都は忘れかねつも |
かな | やまがはの きよきかはせに あそべども ならのみやこは わすれかねつも |
英語(ローマ字) | YAMAGAHANO KIYOKIKAHASENI ASOBEDOMO NARANOMIYAKOHA WASUREKANETSUMO |
訳 | (この島の)山中の清らかな川瀬に遊んでいるが、奈良の都の山川は忘れられない。 |
左注 | – |
校異 | 伯 泊 [類][細][温] |
用語 | 遣新羅使、天平8年、年紀、広島、倉橋島、望郷、羈旅、宴席 |
解説
題詞は3617番歌から。
当時は新羅(朝鮮)に渡る際、船で瀬戸内海を航海し、対馬から新羅へ渡っていった。西暦676年に新羅へ渡った石上麻呂は、10月10日に新羅へ行き、帰ってきたのが翌年の2月1日という記録がる。つまり遣新羅使一回分が約4ヶ月かかるという意味になる。安全かどうかも分からない長旅で故郷が忘れられないのだろう。