第14巻3478番歌はこちらにまとめました。
第14巻 3478番歌
巻 | 第14巻 |
歌番号 | 3478番歌 |
作者 | 作者不詳 |
題詞 | – |
原文 | 等保斯等布 故奈乃思良祢尓 阿抱思太毛 安波乃敝思太毛 奈尓己曽与佐礼 |
訓読 | 遠しとふ故奈の白嶺に逢ほしだも逢はのへしだも汝にこそ寄され |
かな | とほしとふ こなのしらねに あほしだも あはのへしだも なにこそよされ |
英語(ローマ字) | TOHOSHITOFU KONANOSHIRANENI AHOSHIDAMO AHANOHESHIDAMO NANIKOSOYOSARE |
訳 | 遠いという故奈(こな)の白嶺(しらね)に、逢う時も逢わない時もあんたに寄せられていると噂が立っている。なのに(なぜなかなか逢ってくれないの)。 |
左注 | – |
校異 | – |
用語 | 東歌、相聞、地名、群馬県、白根山、石川県、白山、うわさ、恋愛、羈旅 |
解説
じつはこの歌の場所はどこかははっきりしない。それは最初の「故奈の白嶺」にある。石川県の白山なのか、群馬県の白根山なのか、大抵はどちらかだろうと言われるが、どこだと決めるのは難しい。
「故奈(こな)の白嶺(しらね)」は所在不詳。「逢ほ」は「逢ふ」の、「逢はのへ」は「逢はない」の東国訛り。「しだ」は「時」という意味。「寄され」は「寄せられている」という意味で、「噂を寄せられている」という意味である。