第13巻3314番歌はこちらにまとめました。
第13巻 3314番歌
巻 | 第13巻 |
歌番号 | 3314番歌 |
作者 | 作者不詳 |
題詞 | – |
原文 | 次嶺經 山背道乎 人都末乃 馬従行尓 己夫之 歩従行者 毎見 哭耳之所泣 曽許思尓 心之痛之 垂乳根乃 母之形見跡 吾持有 真十見鏡尓 蜻領巾 負並持而 馬替吾背 |
訓読 | つぎねふ 山背道を 人夫の 馬より行くに 己夫し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみし泣かゆ そこ思ふに 心し痛し たらちねの 母が形見と 我が持てる まそみ鏡に 蜻蛉領巾 負ひ並め持ちて 馬買へ我が背 |
かな | つぎねふ やましろぢを ひとづまの うまよりゆくに おのづまし かちよりゆけば みるごとに ねのみしなかゆ そこおもふに こころしいたし たらちねの ははがかたみと わがもてる まそみかがみに あきづひれ おひなめもちて うまかへわがせ |
英語(ローマ字) | TSUGINEFU YAMASHIRODIWO HITODUMANO UMAYORIYUKUNI ONODUMASHI KACHIYORIYUKEBA MIRUGOTONI NENOMISHINAKAYU SOKOOMOFUNI KOKOROSHIITASHI TARACHINENO HAHAGAKATAMITO WAGAMOTERU MASOMIKAGAMINI AKIDUHIRE OHINAMEMOCHITE UMAKAHEWAGASE |
訳 | 峰を越えて山背(京都)の道をほかの夫は馬で行くのに、わが夫は歩いていく。それを見るに付け、泣けてくる。そう思うと心が痛む。死んだ母の形見に私が持っている立派な鏡と蜻蛉領巾(あきづひれ)を持って行って、馬を買いなさいな。あなた。 |
左注 | (右四首) |
校異 | – |
用語 | 動物、女歌、恋愛 |