第10巻1937番歌はこちらにまとめました。
第10巻 1937番歌
巻 | 第10巻 |
歌番号 | 1937番歌 |
作者 | 作者不詳 |
題詞 | 詠鳥 |
原文 | 大夫<之> 出立向 故郷之 神名備山尓 明来者 柘之左枝尓 暮去者 小松之若末尓 里人之 聞戀麻田 山彦乃 答響萬田 霍公鳥 都麻戀為良思 左夜中尓鳴 |
訓読 | 大夫の 出で立ち向ふ 故郷の 神なび山に 明けくれば 柘のさ枝に 夕されば 小松が末に 里人の 聞き恋ふるまで 山彦の 相響むまで 霍公鳥 妻恋ひすらし さ夜中に鳴く |
かな | ますらをの いでたちむかふ ふるさとの かむなびやまに あけくれば つみのさえだに ゆふされば こまつがうれに さとびとの ききこふるまで やまびこの あひとよむまで ほととぎす つまごひすらし さよなかになく |
英語(ローマ字) | MASURAWONO IDETACHIMUKAFU FURUSATONO KAMUNABIYAMANI AKEKUREBA TSUMINOSAEDANI YUFUSAREBA KOMATSUGAURENI SATOBITONO KIKIKOFURUMADE YAMABIKONO AHITOYOMUMADE HOTOTOGISU TSUMAGOHISURASHI SAYONAKANINAKU |
訳 | 男たちが朝出て向かう故郷の神の山が明け初めてくると、ヤマグワの枝に、また、夕方になると、松の小枝に、里の人々が聞き惚れるほど、山びこのように響き合うホトトギスの鳴き声が聞こえる。妻恋しさに夜中にも鳴いている。 |
左注 | (右古歌集中出) |
校異 | 歌 [西] 謌 / 丹 之 [元][類] |
用語 | 夏雑歌、古歌集、飛鳥、地名、動物、恋情、植物、羈旅 |