第8巻1637番歌はこちらにまとめました。
第8巻 1637番歌
巻 | 第8巻 |
歌番号 | 1637番歌 |
作者 | 元正天皇 |
題詞 | 太上天皇御製歌一首 |
原文 | 波太須珠寸 尾花逆葺 黒木用 造有室者 迄萬代 |
訓読 | はだすすき尾花逆葺き黒木もち造れる室は万代までに |
かな | はだすすき をばなさかふき くろきもち つくれるむろは よろづよまでに |
英語(ローマ字) | HADASUSUKI WOBANASAKAFUKI KUROKIMOCHI TSUKURERUMUROHA YORODUYOMADENI |
訳 | ススキで屋根を逆さに葺き、丸太で造った室は永遠に続いていってほしい。 |
左注 | – |
校異 | 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 |
用語 | 冬雑歌、作者:元正天皇、室讃め、宴席、長屋王、植物 |
解説
題詞は「太上天皇(おほきすめらみこと)の御製歌」という意味。太上天皇は譲位された天皇のことで、四十五代聖武天皇の直前の四十四代元正天皇のことである。
「はだすすき」は穂がないススキ。尾花はススキの穂。「逆(さか)葺き」は屋根を葺くとき穂先を下にして並べること。「黒木もち」は「黒木を用いて」という意味。黒木は皮のままの丸太のことをいい、皮を剥いだ木は白木という。新天皇に天皇家の永続を託した歌。