第8巻1506番歌はこちらにまとめました。
第8巻 1506番歌
| 巻 | 第8巻 |
| 歌番号 | 1506番歌 |
| 作者 | 田村大嬢 |
| 題詞 | 大伴田村大嬢与妹坂上大嬢歌一首 |
| 原文 | 古郷之 奈良思乃岳能 霍公鳥 言告遣之 何如告寸八 |
| 訓読 | 故郷の奈良思の岡の霍公鳥言告げ遣りしいかに告げきや |
| かな | ふるさとの ならしのをかの ほととぎす ことつげやりし いかにつげきや |
| 英語(ローマ字) | FURUSATONO NARASHINOWOKANO HOTOTOGISU KOTOTSUGEYARISHI IKANITSUGEKIYA |
| 訳 | どんな具合か、どんな具合かと我が家の庭に立つ橘が、枝をいっぱい伸ばして成長する。その実を貫く五月が近くなり、堪えられなくなって、とうとう花を咲かせました。毎朝、毎日庭に出て見ていると、懸命に思いを寄せるあなたに、清らかな月夜に一目なりと見せたいからと、散るなよと夢に願い、懸命に見守ってきた。が、いまいましいことに、ホトトギスが暁どきにやってきて、悲しいことに、追っても追ってもやって来て鳴き、いたずらに花を散らせてしまいます。どうしようもないので、木の枝をよじ取り、あなたに見せようと贈ります。 |
| 左注 | – |
| 校異 | 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 |
| 用語 | 夏相聞、作者:田村大嬢、坂上大嬢、贈答、地名、動物 |