万葉集 第1巻 28番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第1巻28番歌はこちらにまとめました。

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第1巻 28番歌

第1巻
歌番号28番歌
作者持統天皇
題詞藤原宮御宇天皇代[高天原廣野姫天皇 元年丁亥十一年譲位軽太子 <尊>号曰太上天皇] / 天皇御製歌
原文春過而 夏来良之 白妙能 衣乾有 天之香来山
訓読春過ぎて夏来るらし白栲の衣干したり天の香具山
かなはるすぎて なつきたるらし しろたへの ころもほしたり あめのかぐやま
英語(ローマ字)HARUSUGITE NATSUKITARURASHI SHIROTAHENO KOROMOHOSHITARI AMENOKAGUYAMA
春過ぎて夏がやってきたようだ。目に痛いほど真っ白な衣が干してある。(背後を)天の香具山にして。
左注
校異<> 尊 [元][冷][紀]
用語雑歌、作者:持統天皇、飛鳥、季節、地名、枕詞
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解説

持統天皇の国見の儀礼歌。
題詞に「藤原宮御宇天皇代[高天原廣野姫天皇(たかまのはら ひろの ひめのすめらみこと)元年丁亥十一年譲位軽太子(がんねんひのとい じゅういちねん じょうい かるたいし) <尊>号曰太上天皇(そんごう だいじょうてんのう といふそ)] / 天皇御製歌」とある。
藤原の宮の天皇、つまり軽皇子(孝徳天皇-第36代天皇)を子に持つ持統天皇のことである。

本歌は小倉百人一首でも有名な歌ではあるが、「ころもほしたり」の節の「たり」は、小倉百人一首では「てふ」となる。
小倉百人一首は藤原定家が選んだ100首の歌をカルタにしあもので、歌道の教育として用いられたもの。

どこで変わったのかはともかく、本来の歌を変えることは、あまり好まれることではないのだが、
「ころもほしたり(洗濯物を干す)」と「ころもほしてふ(蝶が羽を休める)」では前後の歌の解もかなり変わるのでそこが面白かったりする。

とはいえ、元は国見の歌ということから、香具山から見下ろした国の民の洗濯物がいくつも見えることから、平和であるという意味なのだろう。