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「あしひきの」、「ぬばたまの」、「にはたづみ」は枕詞。
「露霜負ひて」は「露や霜を浴びて」ということ。「うつせみも」は「この世の人も」という意味。
歌は大伴家持が越中守に赴任してから10年以上経ったころになる。
越中(今の富山県)は雪が多く、苦労が絶えない歌が多い。とくに家持の場合は、着任してからすぐに弟の書持と死別している。また、第17巻 3983番歌の題詞あるように、「4月になっても霍公鳥が鳴く声を聞かず。これを恨みて作る歌」とあるため、越中赴任を快く思っていなかったのだろう。
歌は自然の移り変わりと人の移ろいを対比させて世の無常を表現している。この作風も山上憶良の影響を受けてのことだろうか。