万葉集 第15巻 3697番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第15巻3697番歌はこちらにまとめました。

スポンサーリンク

第15巻 3697番歌

第15巻
歌番号3697番歌
作者作者不詳
題詞到對馬嶋淺茅浦舶泊之時不得順風經停五箇日於是瞻望物華各陳慟心作歌三首
原文毛母布祢乃 波都流對馬能 安佐治山 志具礼能安米尓 毛美多比尓家里
訓読百船の泊つる対馬の浅茅山しぐれの雨にもみたひにけり
かなももふねの はつるつしまの あさぢやま しぐれのあめに もみたひにけり
英語(ローマ字)MOMOFUNENO HATSURUTSUSHIMANO ASADIYAMA SHIGURENOAMENI MOMITAHINIKERI
数多くの船が停泊する対馬の浅茅山、しぐれの雨に紅葉してきた。
左注
校異歌 [西] 謌
用語遣新羅使、天平8年、年紀、長崎、対馬、叙景、羈旅、地名
スポンサーリンク

解説

題詞は「對馬嶋に到着して淺茅浦に舶を停泊したとき、天候不順で五日間そこに泊まった。暇を持て余し、心を痛めた各人が作った歌三首」といった内容。「對馬嶋」は「対馬島」。「淺茅浦」は対馬の中央部南側にある浅茅湾。「瞻望物華」で「遠い彼方を眺めている。」という意味。

「新羅(当時日本と親密だった朝鮮にあった国。)に渡るために対馬島へ来たのはいいが、予定以上に待ちぼうけを食らった時に作った歌三首」という意味か。

「百船の」とは「数多くの船」のこと。「もみたひ」は「紅葉」のこと。