第15巻3589番歌はこちらにまとめました。
第15巻 3589番歌
巻 | 第15巻 |
歌番号 | 3589番歌 |
作者 | 秦間満 |
題詞 | (遣新羅使人等悲別贈答及海路慟情陳思并當所誦之古歌) |
原文 | 由布佐礼婆 比具良之伎奈久 伊故麻山 古延弖曽安我久流 伊毛我目乎保里 |
訓読 | 夕さればひぐらし来鳴く生駒山越えてぞ我が来る妹が目を欲り |
かな | ゆふされば ひぐらしきなく いこまやま こえてぞあがくる いもがめをほり |
英語(ローマ字) | YUFUSAREBA HIGURASHIKINAKU IKOMAYAMA KOETEZOAGAKURU IMOGAMEWOHORI |
訳 | 夕方になるとひぐらしがやって来て鳴く生駒山。その生駒山を越えて私はやってきた。彼女に逢いたくて。 |
左注 | 右一首秦間満 |
校異 | – |
用語 | 遣新羅使、天平8年、年紀、作者:秦間満、地名、奈良、難波、大阪、出発、羈旅、恋情 |
解説
題詞は3578番歌から。
「夕されば」は「夕方になれば」という意味。「生駒山」は奈良県と大阪府の県境にある標高642mの山。「妹が目を欲り」は「彼女に逢いたい」という意味。(「妹」は男性が女性に対し、親しみをこめて言う言葉。「目を欲り」は「早く目を見たい」といい、「早く会いたい」と訳す。万葉集では、よく使われる表現。)
左注に「右の一首は秦間満」とある。