第3巻261番歌はこちらにまとめました。
第3巻 261番歌
巻 | 第3巻 |
歌番号 | 261番歌 |
作者 | 柿本人麻呂 |
題詞 | 柿本朝臣人麻呂獻新田部皇子歌一首[并短歌] |
原文 | 八隅知之 吾大王 高輝 日之皇子 茂座 大殿於 久方 天傳来 <白>雪仕物 徃来乍 益及常世 |
訓読 | やすみしし 我が大君 高照らす 日の御子 敷きいます 大殿の上に ひさかたの 天伝ひ来る 雪じもの 行き通ひつつ いや常世まで |
かな | やすみしし わがおほきみ たかてらす ひのみこ しきいます おほとののうへに ひさかたの あまづたひくる ゆきじもの ゆきかよひつつ いやとこよまで |
英語(ローマ字) | YASUMISHISHI WAGAOHOKIMI TAKATERASU HINOMIKO SHIKIIMASU OHOTONONOUHENI HISAKATANO AMADUTAHIKURU YUKIJIMONO YUKIKAYOHITSUTSU IYATOKOYOMADE |
訳 | 四方八方を支配なさっている我らが大君(新田部皇子)、照り輝いて日の御子は栄えに栄えます。大殿の上にいらっしゃって。天から降りてくる、降りしきる雪のように、通ってきてお仕えしましょう。いや、いついつまでも。 |
左注 | – |
校異 | 短歌 [西] 短謌 / 自 白 [類][紀][細] |
用語 | 雑歌、作者:柿本人麻呂、新田部皇子、献呈歌、飛鳥、地名、枕詞 |
解説
題詞は「柿本朝臣人麻呂、新田部皇子(にひたべのみこ)に奉る歌と短歌」という意味。
「朝臣」とは天皇に仕える人や、豪族に与えられた称号。全部で八種類「八色の姓(やくさのかばね)」あり、上から「真人(まひと)、朝臣(あそみ・あそん)、宿禰(すくね)、忌寸(いみき)、道師(みちのし)、臣(おみ)、連(むらじ)、稲置(いなぎ)」となる。一番上が「真人」だが、天皇の一族だけが与えられたものなので、次の称号である「朝臣」は一般的に最高の称号という意味になる。
短歌は次の262番歌。
新田部皇子は四十代天武天皇の皇子。
「雪じもの」は「降りしきる雪のようなもの」という意味。