第20巻4432番歌はこちらにまとめました。
第20巻 4432番歌
巻 | 第20巻 |
歌番号 | 4432番歌 |
作者 | 作者不詳 |
題詞 | (天平勝寳七歳乙未二月相替遣筑紫諸國防人等歌) |
原文 | 佐弁奈弁奴 美許登尓阿礼婆 可奈之伊毛我 多麻久良波奈礼 阿夜尓可奈之毛 |
訓読 | 障へなへぬ命にあれば愛し妹が手枕離れあやに悲しも |
かな | さへなへぬ みことにあれば かなしいもが たまくらはなれ あやにかなしも |
英語(ローマ字) | SAHENAHENU MIKOTONIAREBA KANASHIIMOGA TAMAKURAHANARE AYANIKANASHIMO |
訳 | 拒み得ない大君のご命令なので、いとしい彼女の手枕を離れ、やってきたが、切なく悲しい。 |
左注 | 右八首昔<年>防人歌矣 主典刑部少録正七位上磐余伊美吉諸君抄寫 贈兵部少輔大伴宿祢家持 |
校異 | 年 [西(上書訂正)][元][紀][古] |
用語 | 天平勝宝7年2月、年紀、防人歌、古歌、伝誦、磐余諸君、悲別、恋情 |
解説
題詞は4321番歌から。
「障(さ)へなへぬ」は「拒み得ない」という意味。
左注は「右の八首は過去の防人の歌。主典刑部少録正七位上、磐余伊美吉諸君(いはれのいみきもろきみ)が抜き写して、兵部少輔大伴宿祢家持に贈ったものである」という意味。主典(さかん)は四等官。刑部少録は刑部省の書記。「刑部省」は裁判や行刑を司る所。 「兵部少輔」は兵部省次官。