万葉集 第10巻 2092番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第10巻2092番歌はこちらにまとめました。

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第10巻 2092番歌

第10巻
歌番号2092番歌
作者作者不詳
題詞(七夕)
原文天地跡 別之時従 久方乃 天驗常 <定>大王 天之河原尓 璞 月累而 妹尓相 時候跡 立待尓 吾衣手尓 秋風之 吹反者 立<座> 多土伎乎不知 村肝 心不欲 解衣 思乱而 何時跡 吾待今夜 此川 行長 有得鴨
訓読天地と 別れし時ゆ 久方の 天つしるしと 定めてし 天の川原に あらたまの 月重なりて 妹に逢ふ 時さもらふと 立ち待つに 我が衣手に 秋風の 吹きかへらへば 立ちて居て たどきを知らに むらきもの 心いさよひ 解き衣の 思ひ乱れて いつしかと 我が待つ今夜 この川の 流れの長く ありこせぬかも
かなあめつちと わかれしときゆ ひさかたの あまつしるしと さだめてし あまのかはらに あらたまの つきかさなりて いもにあふ ときさもらふと たちまつに わがころもでに あきかぜの ふきかへらへば たちてゐて たどきをしらに むらきもの こころいさよひ とききぬの おもひみだれて いつしかと わがまつこよひ このかはの ながれのながく ありこせぬかも
英語(ローマ字)AMETSUCHITO WAKARESHITOKIYU HISAKATANO AMATSUSHIRUSHITO SADAMETESHI AMANOKAHARANI ARATAMANO TSUKIKASANARITE IMONIAFU TOKISAMORAFUTO TACHIMATSUNI WAGAKOROMODENI AKIKAZENO FUKIKAHERAHEBA TACHITEゐTE TADOKIWOSHIRANI MURAKIMONO KOKOROISAYOHI TOKIKINUNO OMOHIMIDARETE ITSUSHIKATO WAGAMATSUKOYOHI KONOKAHANO NAGARENONAGAKU ARIKOSENUKAMO
天地が分かれた原初の時から天の印と定められた、天の川の川原。月日が重なって妻に逢える日が来ないかと時をうかがっていると、立って待っている私の着物の袖が秋の風に吹き返すようになった。どうしてよいか分からず、心は揺れ動き、思い乱れてならない。いつかいつかと私が待つ今宵(七夕の夜)は、天の川の流れのように長くいつまでも続いてくれないものだろうか。
左注
校異弖 定 [元][類][紀] / 坐 座 [元][類][紀] / 欲 [万葉集古義](塙)(楓) 知欲比
用語秋雑歌、七夕
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