第8巻1450番歌はこちらにまとめました。
第8巻 1450番歌
巻 | 第8巻 |
歌番号 | 1450番歌 |
作者 | 坂上郎女 |
題詞 | 大伴宿祢坂上郎女歌一首 |
原文 | 情具伎 物尓曽有鶏類 春霞 多奈引時尓 戀乃繁者 |
訓読 | 心ぐきものにぞありける春霞たなびく時に恋の繁きは |
かな | こころぐき ものにぞありける はるかすみ たなびくときに こひのしげきは |
英語(ローマ字) | KOKOROGUKI MONONIZOARIKERU HARUKASUMI TANABIKUTOKINI KOHINOSHIGEKIHA |
訳 | 春霞がたなびく季節がやってきて、しきりに恋心がつのりますが、なんと切なく心苦しいことでしょう。 |
左注 | – |
校異 | 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 |
用語 | 春相聞、作者:坂上郎女、恋情 |
解説
題詞に「大伴宿祢坂上郎女の歌一首」と書かれている。坂上郎女は大伴家持の叔母であり姑。「宿祢(すくね)」は天皇の身近で政治をする氏族の称号。大化の改新以前に巨大な勢力を保有していた蘇我氏や物部氏も「宿祢(宿禰とも書く。)」が与えれていた。
「心ぐき」とは切なく苦しい心情をいう。