万葉集 第6巻 1050番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第6巻1050番歌はこちらにまとめました。

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第6巻 1050番歌

第6巻
歌番号1050番歌
作者田辺福麻呂
題詞讃久邇新京歌二首[并短歌]
原文明津神 吾皇之 天下 八嶋之中尓 國者霜 多雖有 里者霜 澤尓雖有 山並之 宜國跡 川次之 立合郷跡 山代乃 鹿脊山際尓 宮柱 太敷奉 高知為 布當乃宮者 河近見 湍音叙清 山近見 鳥賀鳴慟 秋去者 山裳動響尓 左男鹿者 妻呼令響 春去者 岡邊裳繁尓 巌者 花開乎呼理 痛A怜 布當乃原 甚貴 大宮處 諾己曽 吾大王者 君之随 所聞賜而 刺竹乃 大宮此跡 定異等霜
訓読現つ神 我が大君の 天の下 八島の内に 国はしも さはにあれども 里はしも さはにあれども 山なみの よろしき国と 川なみの たち合ふ里と 山背の 鹿背山の際に 宮柱 太敷きまつり 高知らす 布当の宮は 川近み 瀬の音ぞ清き 山近み 鳥が音響む 秋されば 山もとどろに さを鹿は 妻呼び響め 春されば 岡辺も繁に 巌には 花咲きををり あなあはれ 布当の原 いと貴 大宮所 うべしこそ 吾が大君は 君ながら 聞かしたまひて さす竹の 大宮ここと 定めけらしも
かなあきつかみ わがおほきみの あめのした やしまのうちに くにはしも さはにあれども さとはしも さはにあれども やまなみの よろしきくにと かはなみの たちあふさとと やましろの かせやまのまに みやばしら ふとしきまつり たかしらす ふたぎのみやは かはちかみ せのおとぞきよき やまちかみ とりがねとよむ あきされば やまもとどろに さをしかは つまよびとよめ はるされば をかへもしじに いはほには はなさきををり あなあはれ ふたぎのはら いとたふと おほみやところ うべしこそ わがおほきみは きみながら きかしたまひて さすたけの おほみやここと さだめけらしも
英語(ローマ字)AKITSUKAMI WAGAOHOKIMINO AMENOSHITA YASHIMANOUCHINI KUNIHASHIMO SAHANIAREDOMO SATOHASHIMO SAHANIAREDOMO YAMANAMINO YOROSHIKIKUNITO KAHANAMINO TACHIAFUSATOTO YAMASHIRONO KASEYAMANOMANI MIYABASHIRA FUTOSHIKIMATSURI TAKASHIRASU FUTAGINOMIYAHA KAHACHIKAMI SENOOTOZOKIYOKI YAMACHIKAMI TORIGANETOYOMU AKISAREBA YAMAMOTODORONI SAWOSHIKAHA TSUMAYOBITOYOME HARUSAREBA WOKAHEMOSHIJINI IHAHONIHA HANASAKIWOWORI ANAAHARE FUTAGINOHARA ITOTAFUTO OHOMIYATOKORO UBESHIKOSO WAGAOHOKIMIHA KIMINAGARA KIKASHITAMAHITE SASUTAKENO OHOMIYAKOKOTO SADAMEKERASHIMO
現人神(あらひとがみ)でいらっしゃる大君は、天下の大八島国を治めていらっしゃる。その大八島には多くの国々や多くの集落がある。その中でも山並みがよろしく、川と川が合流する山城(京都)の鹿背山のふもとに高々と立派な宮柱を立てられてお作りになった、布当(ふたぎ)の皇居。川が近く瀬の音が清らか、山が近く鳥の鳴き声が響き渡る。秋になると、山もとどろくばかりに牡鹿が妻を呼んで鳴き声を響かせる。春になると、岡の周辺がにぎやかになり、岩の周辺には枝もたわわに花々が咲き乱れる。なんと趣のあるすばらしい所よ、布当(ふたぎ)の原は本当に貴い大宮所。だからこそ、大君は臣下からお聞きになって皇居をここと決められたのですね
左注(右廿一首田邊福麻呂之歌集中出也)
校異歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌
用語雑歌、作者:田辺福麻呂歌集、久邇京、新都讃美、動物、植物、京都、地名
第6巻
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