第3巻417番歌はこちらにまとめました。
第3巻 417番歌
巻 | 第3巻 |
歌番号 | 417番歌 |
作者 | 手持女王 |
題詞 | 河内王葬豊前國鏡山之時手持女王作歌三首 |
原文 | 王之 親魄相哉 豊國乃 鏡山乎 宮登定流 |
訓読 | 大君の和魂あへや豊国の鏡の山を宮と定むる |
かな | おほきみの にきたまあへや とよくにの かがみのやまを みやとさだむる |
英語(ローマ字) | OHOKIMINO NIKITAMAAHEYA TOYOKUNINO KAGAMINOYAMAWO MIYATOSADAMURU |
訳 | 大君(あなた様)の慣れ親しんだ魂にお会いできるのでしょうか。遠く離れた豊前国の鏡山が墓所と決められて。 |
左注 | – |
校異 | 歌 [西] 謌 |
用語 | 挽歌、河内王、作者:手持女王、福岡県、地名 |
解説
題詞は「河内王を豊前国の鏡山に葬りし時に手持女王が作った歌3首」という意味。
「豊前国(ぶぜんのくに)」は福岡県と大分県にまたがる律令国の1つ。「鏡山」は福岡県田川郡香春町大字鏡山のこと。(この場所に宮内庁が陵墓参考地に治定した河内王陵がある。形状が6世紀後半の円墳のため、本歌の河内王の墓かどうかは疑わしいとも言われている。)
河内王は複数いるが、太宰府の長官に任ぜられていた人物(長親王の息子)と考えられている。手持女王は河内王に愛された女性。
「大君の親魂逢へや」は「慣れ親しんだあなた様の魂にお会いできるのでしょうか」という反語表現。「宮と定むる」は「墓所と決めた」という意味。