第8巻1611番歌はこちらにまとめました。
第8巻 1611番歌
| 巻 | 第8巻 |
| 歌番号 | 1611番歌 |
| 作者 | 笠縫女王 |
| 題詞 | 笠縫女王歌一首 [六人部王之女母曰田形皇女也] |
| 原文 | 足日木乃 山下響 鳴鹿之 事乏可母 吾情都末 |
| 訓読 | あしひきの山下響め鳴く鹿の言ともしかも我が心夫 |
| かな | あしひきの やましたとよめ なくしかの ことともしかも わがこころつま |
| 英語(ローマ字) | ASHIHIKINO YAMASHITATOYOME NAKUSHIKANO KOTOTOMOSHIKAMO WAGAKOKOROTSUMA |
| 訳 | 山辺を響かせて鹿が妻恋に鳴くが、そのようにも愛の言葉をかけてほしい。密かに思いを寄せるお方よ。 |
| 左注 | – |
| 校異 | 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 |
| 用語 | 秋相聞、作者:笠縫女王、六人部王、田形皇女、忍恋い、動物 |
解説
題詞は「笠縫女王(かさぬひのおほきみ)の歌一首」という意味。補足で「六人部王(むとべのおほきみ)と田形皇女(たがたのひめみこ)の娘」とある。
「あしひきの」は枕詞。掛かる語は「山」。「言ともしかも」は「愛していると言って欲しい」という意味。「我がこころ夫」という表現は他に類例がないが、「自分の心中にいる人」=「密かに思いを寄せるお方」という意味。

