万葉集 第18巻 4138番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4138番歌はこちらにまとめました。

第18巻 4138番歌

第18巻
歌番号 4138番歌
作者 大伴家持
題詞 縁檢察墾田地事宿礪波郡主帳多治比部北里之家 于時忽起風雨不得辞去作歌一首
原文 夜夫奈美能 佐刀尓夜度可里 波流佐米尓 許母理都追牟等 伊母尓都宜都夜
訓読 薮波の里に宿借り春雨に隠りつつむと妹に告げつや
かな やぶなみの さとにやどかり はるさめに こもりつつむと いもにつげつや
英語(ローマ字) YABUNAMINO SATONIYADOKARI HARUSAMENI KOMORITSUTSUMUTO IMONITSUGETSUYA
薮波の里で宿を借りたところ、激しい春雨が降ってきて宿にこもっている。このことを誰か妻に告げてくれただろうか。
左注 二月十八日守大伴宿祢家持作
校異
用語 天平勝宝2年2月18日、作者:大伴家持、年紀、地名、砺波、富山、宴席、多治比部北里

万葉集 第18巻 4137番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4137番歌はこちらにまとめました。

第18巻 4137番歌

第18巻
歌番号 4137番歌
作者 大伴家持
題詞 <判>官久米朝臣廣縄之舘宴歌一首
原文 牟都奇多都 波流能波自米尓 可久之都追 安比之恵美天婆 等枳自家米也母
訓読 正月立つ春の初めにかくしつつ相し笑みてば時じけめやも
かな むつきたつ はるのはじめに かくしつつ あひしゑみてば ときじけめやも
英語(ローマ字) MUTSUKITATSU HARUNOHAJIMENI KAKUSHITSUTSU AHISHIゑMITEBA TOKIJIKEMEYAMO
お正月が始まった春の初めに、このように互いに笑みを交わすのはこの時だけであろうか。
左注 同月五日守大伴宿祢家持作之
校異 刺 判 [元][類]
用語 天平勝宝2年1月5日、作者:大伴家持、年紀、宴席、久米広縄、賀歌、寿歌、富山、高岡

万葉集 第18巻 4136番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4136番歌はこちらにまとめました。

第18巻 4136番歌

第18巻
歌番号 4136番歌
作者 大伴家持
題詞 天平勝寶二年正月二日於國廳給饗諸郡司等<宴>歌一首
原文 安之比奇能 夜麻能許奴礼能 保与等<理>天 可射之都良久波 知等世保久等曽
訓読 あしひきの山の木末のほよ取りてかざしつらくは千年寿くとぞ
かな あしひきの やまのこぬれの ほよとりて かざしつらくは ちとせほくとぞ
英語(ローマ字) ASHIHIKINO YAMANOKONURENO HOYOTORITE KAZASHITSURAKUHA CHITOSEHOKUTOZO
山の木の梢に寄生するヤドリギを取ってかざしたことは千年の先まで祝ってのことぞ。
左注 右一首守大伴宿祢家持作
校異 <> 宴 [西(右書)][元][古][紀] / 里 理 [元][類][古]
用語 天平勝宝2年1月2日、作者:大伴家持、年紀、枕詞、寿歌、賀歌、高岡、富山、宴席

万葉集 第18巻 4135番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4135番歌はこちらにまとめました。

第18巻 4135番歌

第18巻
歌番号 4135番歌
作者 作者不詳
題詞
原文 和我勢故我 許登等流奈倍尓 都祢比登<乃> 伊布奈宜吉思毛 伊夜之伎麻須毛
訓読 我が背子が琴取るなへに常人の言ふ嘆きしもいやしき増すも
かな わがせこが こととるなへに つねひとの いふなげきしも いやしきますも
英語(ローマ字) WAGASEKOGA KOTOTORUNAHENI TSUNEHITONO IFUNAGEKISHIMO IYASHIKIMASUMO
あなたが琴を取るや否や、世間一般の人たちの嘆き声がますます強く聞こえてきます。
左注 右一首少目秦伊美吉石竹舘宴守大伴宿祢家持作
校異 能 乃 [元][類]
用語 作者:大伴家持、恋愛、宴席、秦石竹

万葉集 第18巻 4134番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4134番歌はこちらにまとめました。

第18巻 4134番歌

第18巻
歌番号 4134番歌
作者 大伴家持
題詞 宴席詠雪月梅花歌一首
原文 由吉<乃>宇倍尓 天礼流都久欲尓 烏梅能播奈 乎<理>天於久良牟 波之伎故毛我母
訓読 雪の上に照れる月夜に梅の花折りて送らむはしき子もがも
かな ゆきのうへに てれるつくよに うめのはな をりておくらむ はしきこもがも
英語(ローマ字) YUKINOUHENI TERERUTSUKUYONI UMENOHANA WORITEOKURAMU HASHIKIKOMOGAMO
雪が降って輝く月夜に梅の花を折って贈ってやる、いとしい娘でもいたらなあ。
左注 右一首一二月大伴宿祢家持作
校異 能 乃 [元][類] / <> 理 [西(右書)][元][類][紀]
用語 天平勝宝1年12月、作者:大伴家持、年紀、宴席、題詠、植物、恋愛、文芸

解説

題詞は「宴席で詠んだ雪月梅花の歌一首」という意味。
「雪月花」は景観が最も美しいと思われる語句3つ(雪・月・花(梅花、桜など))を合わせて作った造語であり、四季折々のような意味で使われることが多い。本歌は雪月花の言葉を最初に使ったとされる有名な歌。

「はしき子もがも」は「いとしい娘でもいたらなあ」という意味。

左注は「右の一首、12月、大伴宿祢家持の作」。12月は旧暦で、現代では約1月ごろを指す。

万葉集 第18巻 4133番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4133番歌はこちらにまとめました。

第18巻 4133番歌

第18巻
歌番号 4133番歌
作者 大伴池主
題詞 (更来贈歌二首 / 依迎驛使事今月十五日到来部下加賀郡境 面蔭<見>射水之郷戀緒結深海之村 身異胡馬心悲北風 乗月徘徊曽無所為 稍開来<封>其辞[云<々>]者 先所奉書返畏度疑歟 僕作嘱羅且悩使君 夫乞水得酒従来能口 論時合理何題強吏乎 尋誦針袋詠詞泉酌不渇 抱膝獨咲能ニ旅愁 陶然遣日何慮何思 短筆不宣 / 勝寶元年十二月十五日 徴物下司 / 謹上 不伏使君 [記室] / 別奉[云々]歌二首)
原文 波里夫久路 己礼波多婆利奴 須理夫久路 伊麻波衣天之可 於吉奈佐備勢牟
訓読 針袋これは賜りぬすり袋今は得てしか翁さびせむ
かな はりぶくろ これはたばりぬ すりぶくろ いまはえてしか おきなさびせむ
英語(ローマ字) HARIBUKURO KOREHATABARINU SURIBUKURO IMAHAETESHIKA OKINASABISEMU
針袋は頂戴致します。今度はすり袋を得て老人らしくいたしとうございます。
左注
校異
用語 天平勝宝1年12月15日、作者:大伴池主、年紀、贈答、書簡、大伴家持、戯歌、高岡、富山

万葉集 第18巻 4132番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4132番歌はこちらにまとめました。

第18巻 4132番歌

第18巻
歌番号 4132番歌
作者 大伴池主
題詞 更来贈歌二首 / 依迎驛使事今月十五日到来部下加賀郡境 面蔭<見>射水之郷戀緒結深海之村 身異胡馬心悲北風 乗月徘徊曽無所為 稍開来<封>其辞[云<々>]者 先所奉書返畏度疑歟 僕作嘱羅且悩使君 夫乞水得酒従来能口 論時合理何題強吏乎 尋誦針袋詠詞泉酌不渇 抱膝獨咲能ニ旅愁 陶然遣日何慮何思 短筆不宣 / 勝寶元年十二月十五日 徴物下司 / 謹上 不伏使君 [記室] / 別奉[云々]歌二首
原文 多々佐尓毛 可尓母与己佐母 夜都故等曽 安礼<波>安利家流 奴之能等<乃>度尓
訓読 縦さにもかにも横さも奴とぞ我れはありける主の殿戸に
かな たたさにも かにもよこさも やつことぞ あれはありける ぬしのとのどに
英語(ローマ字) TATASANIMO KANIMOYOKOSAMO YATSUKOTOZO AREHAARIKERU NUSHINOTONODONI
上下関係であろうと他国に勤める横の関係であろうと、とにかく私は僕(しもべ)でございます。ご主人様の御門に控える・・・。
左注
校異 見見 見 [西(訂正)][元][紀][細] / 對 封 [西(朱書訂正)][細] / 著 々 [元] / 歌 [西] 謌 / 婆 波 [元][類][古] / 能 乃 [元][類][古]
用語 天平勝宝1年12月15日、作者:大伴池主、年紀、贈答、書簡、大伴家持、戯歌、高岡、富山

万葉集 第18巻 4131番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4131番歌はこちらにまとめました。

第18巻 4131番歌

第18巻
歌番号 4131番歌
作者 大伴池主
題詞 (越前國掾大伴宿祢池主来贈戯歌四首 / 忽辱恩賜 驚欣已深 心中含咲獨座稍開 表裏不同相違何異 推量所由率尓作策歟 明知加言豈有他意乎 凡賀易本物其罪不軽 正贓倍贓宣<急>并満 今勒風雲發遣<徴>使 早速返報不須延廻 / 勝寶元年十一月十二日 物所貿易下吏 / 謹訴貿易人断官司 廳下 / 別<白> 可怜之意不能黙止 聊述四詠准擬睡覺)
原文 等里我奈久 安豆麻乎佐之天 布佐倍之尓 由可牟<等>於毛倍騰 与之母佐祢奈之
訓読 鶏が鳴く東をさしてふさへしに行かむと思へどよしもさねなし
かな とりがなく あづまをさして ふさへしに ゆかむとおもへど よしもさねなし
英語(ローマ字) TORIGANAKU ADUMAWOSASHITE FUSAHESHINI YUKAMUTOOMOHEDO YOSHIMOSANENASHI
(家持様がおられる)鶏が鳴く東に向かって針袋をお返しにあがろうと思いますが、その理由が見あたりません。
左注 右歌之返報歌者脱漏不得探求也
校異 登 等 [元][類][古]
用語 天平勝宝1年11月12日、作者:大伴池主、年紀、贈答、大伴家持、書簡、戯歌、高岡、富山

万葉集 第18巻 4130番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4130番歌はこちらにまとめました。

第18巻 4130番歌

第18巻
歌番号 4130番歌
作者 大伴池主
題詞 (越前國掾大伴宿祢池主来贈戯歌四首 / 忽辱恩賜 驚欣已深 心中含咲獨座稍開 表裏不同相違何異 推量所由率尓作策歟 明知加言豈有他意乎 凡賀易本物其罪不軽 正贓倍贓宣<急>并満 今勒風雲發遣<徴>使 早速返報不須延廻 / 勝寶元年十一月十二日 物所貿易下吏 / 謹訴貿易人断官司 廳下 / 別<白> 可怜之意不能黙止 聊述四詠准擬睡覺)
原文 波利夫久路 應婢都々氣奈我良 佐刀其等邇 天良佐比安流氣騰 比等毛登賀米授
訓読 針袋帯び続けながら里ごとに照らさひ歩けど人もとがめず
かな はりぶくろ おびつつけながら さとごとに てらさひあるけど ひともとがめず
英語(ローマ字) HARIBUKURO OBITSUTSUKENAGARA SATOGOTONI TERASAHIARUKEDO HITOMOTOGAMEZU
針袋を腰にぶら下げて里という里を見せびらかして歩いてみたが、誰一人とがめる様子がありません。
左注 (右歌之返報歌者脱漏不得探求也)
校異
用語 天平勝宝1年11月12日、作者:大伴池主、年紀、贈答、大伴家持、書簡、戯歌、高岡、富山

万葉集 第18巻 4129番歌/作者・原文・時代・歌・訳

第18巻4129番歌はこちらにまとめました。

第18巻 4129番歌

第18巻
歌番号 4129番歌
作者 大伴池主
題詞 (越前國掾大伴宿祢池主来贈戯歌四首 / 忽辱恩賜 驚欣已深 心中含咲獨座稍開 表裏不同相違何異 推量所由率尓作策歟 明知加言豈有他意乎 凡賀易本物其罪不軽 正贓倍贓宣<急>并満 今勒風雲發遣<徴>使 早速返報不須延廻 / 勝寶元年十一月十二日 物所貿易下吏 / 謹訴貿易人断官司 廳下 / 別<白> 可怜之意不能黙止 聊述四詠准擬睡覺)
原文 芳理夫久路 等利安宜麻敝尓於吉 可邊佐倍波 於能等母於能夜 宇良毛都藝多利
訓読 針袋取り上げ前に置き返さへばおのともおのや裏も継ぎたり
かな はりぶくろ とりあげまへにおき かへさへば おのともおのや うらもつぎたり
英語(ローマ字) HARIBUKURO TORIAGEMAHENIOKI KAHESAHEBA ONOTOMOONOYA URAMOTSUGITARI
(贈っていただいた)針袋を取り上げて前に置き、ひっくり返してつくづく眺めれば、あんれまあ、裏地まで付いているじゃございませんか。
左注 (右歌之返報歌者脱漏不得探求也)
校異
用語 天平勝宝1年11月12日、作者:大伴池主、年紀、大伴家持、贈答、書簡、戯歌、高岡、富山