大伴池主が書いた万葉集

大伴池主が書いた万葉集についてまとめました。

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掲載数 全 31 首

歌番号本歌
第2巻127番歌風流士に我れはありけりやど貸さず帰しし我れぞ風流士にはある
第8巻1590番歌十月時雨にあへる黄葉の吹かば散りなむ風のまにまに
第17巻3944番歌をみなへし咲きたる野辺を行き廻り君を思ひ出た廻り来ぬ
第17巻3945番歌秋の夜は暁寒し白栲の妹が衣手着むよしもがも
第17巻3946番歌霍公鳥鳴きて過ぎにし岡びから秋風吹きぬよしもあらなくに
第17巻3949番歌天離る鄙にある我れをうたがたも紐解き放けて思ほすらめや
第17巻3967番歌山峽に咲ける桜をただ一目君に見せてば何をか思はむ
第17巻3968番歌鴬の来鳴く山吹うたがたも君が手触れず花散らめやも
第17巻3973番歌大君の 命畏み あしひきの 山野さはらず 天離る 鄙も治むる 大夫や なにか物思ふ あをによし 奈良道来通ふ 玉梓の 使絶えめや 隠り恋ひ 息づきわたり 下思に 嘆かふ我が背 いにしへゆ 言ひ継ぎくらし 世間は 数なきものぞ 慰むる こともあらむと 里人の 我れに告ぐらく 山びには 桜花散り 貌鳥の 間なくしば鳴く 春の野に すみれを摘むと 白栲の 袖折り返し 紅の 赤裳裾引き 娘子らは 思ひ乱れて 君待つと うら恋すなり 心ぐし いざ見に行かな ことはたなゆひ
第17巻3974番歌山吹は日に日に咲きぬうるはしと我が思ふ君はしくしく思ほゆ
第17巻3975番歌我が背子に恋ひすべながり葦垣の外に嘆かふ我れし悲しも
第17巻3993番歌藤波は 咲きて散りにき 卯の花は 今ぞ盛りと あしひきの 山にも野にも 霍公鳥 鳴きし響めば うち靡く 心もしのに そこをしも うら恋しみと 思ふどち 馬打ち群れて 携はり 出で立ち見れば 射水川 港の渚鳥 朝なぎに 潟にあさりし 潮満てば 夫呼び交す 羨しきに 見つつ過ぎ行き 渋谿の 荒礒の崎に 沖つ波 寄せ来る玉藻 片縒りに 蘰に作り 妹がため 手に巻き持ちて うらぐはし 布勢の水海に 海人船に ま楫掻い貫き 白栲の 袖振り返し あどもひて 我が漕ぎ行けば 乎布の崎 花散りまがひ 渚には 葦鴨騒き さざれ波 立ちても居ても 漕ぎ廻り 見れども飽かず 秋さらば 黄葉の時に 春さらば 花の盛りに かもかくも 君がまにまと かくしこそ 見も明らめめ 絶ゆる日あらめや
第17巻3994番歌白波の寄せ来る玉藻世の間も継ぎて見に来む清き浜びを
第17巻4003番歌朝日さし そがひに見ゆる 神ながら 御名に帯ばせる 白雲の 千重を押し別け 天そそり 高き立山 冬夏と 別くこともなく 白栲に 雪は降り置きて 古ゆ あり来にければ こごしかも 岩の神さび たまきはる 幾代経にけむ 立ちて居て 見れども異し 峰高み 谷を深みと 落ちたぎつ 清き河内に 朝さらず 霧立ちわたり 夕されば 雲居たなびき 雲居なす 心もしのに 立つ霧の 思ひ過ぐさず 行く水の 音もさやけく 万代に 言ひ継ぎゆかむ 川し絶えずは
第17巻4004番歌立山に降り置ける雪の常夏に消ずてわたるは神ながらとぞ
第17巻4005番歌落ちたぎつ片貝川の絶えぬごと今見る人もやまず通はむ
第17巻4008番歌あをによし 奈良を来離れ 天離る 鄙にはあれど 我が背子を 見つつし居れば 思ひ遣る こともありしを 大君の 命畏み 食す国の 事取り持ちて 若草の 足結ひ手作り 群鳥の 朝立ち去なば 後れたる 我れや悲しき 旅に行く 君かも恋ひむ 思ふそら 安くあらねば 嘆かくを 留めもかねて 見わたせば 卯の花山の 霍公鳥 音のみし泣かゆ 朝霧の 乱るる心 言に出でて 言はばゆゆしみ 砺波山 手向けの神に 幣奉り 我が祈ひ祷まく はしけやし 君が直香を ま幸くも ありた廻り 月立たば 時もかはさず なでしこが 花の盛りに 相見しめとぞ
第17巻4009番歌玉桙の道の神たち賄はせむ我が思ふ君をなつかしみせよ
第17巻4010番歌うら恋し我が背の君はなでしこが花にもがもな朝な朝な見む
第18巻4073番歌月見れば同じ国なり山こそば君があたりを隔てたりけれ
第18巻4074番歌桜花今ぞ盛りと人は言へど我れは寂しも君としあらねば
第18巻4075番歌相思はずあるらむ君をあやしくも嘆きわたるか人の問ふまで
第18巻4128番歌草枕旅の翁と思ほして針ぞ賜へる縫はむ物もが
第18巻4129番歌針袋取り上げ前に置き返さへばおのともおのや裏も継ぎたり
第18巻4130番歌針袋帯び続けながら里ごとに照らさひ歩けど人もとがめず
第18巻4131番歌鶏が鳴く東をさしてふさへしに行かむと思へどよしもさねなし
第18巻4132番歌縦さにもかにも横さも奴とぞ我れはありける主の殿戸に
第18巻4133番歌針袋これは賜りぬすり袋今は得てしか翁さびせむ
第20巻4295番歌高円の尾花吹き越す秋風に紐解き開けな直ならずとも
第20巻4300番歌霞立つ春の初めを今日のごと見むと思へば楽しとぞ思ふ
第20巻4459番歌葦刈りに堀江漕ぐなる楫の音は大宮人の皆聞くまでに